- サマー・サウンズ
- Glenn Astroが手がけた今回のRAポッドキャストには、太陽を浴びながら聴くのが最適な甘いファンクが、最初から最後まで詰まっている。Lucas Arrudaの"Rio Afternoon"で幕開けたあと、彼は1時間に渡ってノリの良い、モヤっとした、ソウルフルなサウンドをキープしている。ハウス、ディスコ、ファンク、ヒップホップ、ジャズといったジャンルを横断する彼のプレイを聴いていると、最近のDJでは珍しく、クロスフェーダーをやたら駆使していることに気づくだろう。ミックスの至る所で聴ける彼の荒削りなセンスにはどこかオールドスクールな感覚があり、完璧なミックスが当たり前となっている現代において新鮮に聴こえる。
しかしAstroがこういったプレイをすることは、何も驚くべきことではない。Floating Points、Motor City Drum Ensemble、Session Victimらと同様に、このドイツ人アーティストは現代のクラブ・サウンドと同じくらい、90年代のヒップホップや、ジャズに影響を受けているハウスミュージック・プロデューサーなのである。これは、彼が最近リリースしたデビューアルバム、『Throwback』を聴けば、より明確になるだろう。彼のポッドキャストの内容にも言えることだが、彼のアルバムには、過去へ敬意を表しながら、同時にその古い音を新しい角度から掘り下げた音楽が収まっている。このアルバムはMax Graefの『Rivers Of The Red Planet』に近いものがあるが、それもそのはず。共にベルリンのOYE Recordsクルーの一員である彼らは頻繁にコラボレートをする仲であり、『Throwback』でも数曲共演している。今年に入ってから、彼らは共にMoney $ex RecordsをDelfonicと立ち上げており、第一弾として無題のEPをリリースした。第二弾としては、これまたAstroと良く共作をしている、Rhodes好きのIMYRMiNDによる7曲入りがリリースされた。
まずは近況報告をお願いします
ギグを沢山やって、音楽制作をしていたよ。あと大学の勉強もついていけるように頑張ってる。
ミックスの制作環境を教えてください
自宅のリビングルームで録音したんだ。別にどうでもいいことだけど、ヴァイナルオンリーだよ。はは。
ミックスのコンセプトについて教えてください
これがコンセプトと言えるか解らないけど、フレッシュで、しかも幅広いものにしたかった。ひとつのジャンルに留まらず、なおかつダンスしやすく。伝わるか解らないけど。
『Throwback』というタイトルは、あなたのアーティストとしての理念を表しているのでしょうか?(註:Throwbackは「過去の再来」や「回想」を意味する)
まぁ、イエスとノーかな。たしかに俺は何十年も前の音楽にインスピレーションを受けているし、影響されている。でも一方で、俺は過去の音楽をリサイクルしているとは思わないんだ。昔とは違った解釈で、新鮮味のあるものにしようとしている。
お気に入りのディグスポットはありますか?
いや、特にないんだ。でもフリーマーケットやレコードフェアは大好きだ。新譜はたいていOYEやHHVで買ってるよ。
今後の予定は?
色々とリミックスの依頼を受けているからそれをこなしているのと、あと今Max Graefとアルバムを作ってるんだ。面白いことになりそうだよ。
TracklistLucas Arruda - Rio Afternoon
Electric Wire Hustle - Waters (Edit)
MF Doom - Special Herbs Beat
Kellee Patterson - Maiden Voyage
Retrogott - Der Stinker
Soundhack - Untitled
Theo Parrish - Falling Up
Swindle - Summer Fruit
Pepe Bradock - Drum Tool
Floating Points - Nuits Sonores
I.G. Disco - Disco Power
WK7 - More Music
D-Ribeiro - The Purple Ghost Dance
Cymande - Bra (Ritual Session)
Rocko Schamoni - Discoteer (DJ Koze RMX)
Smith n Hack - Footstomping Smoker
Mad Men - Jazz Workshop (instrumental)