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Allen & Heath - Xone:DB4
Published
Sep 21, 2011
Words
Mark Strauss
Released
2011
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ここ数年に渡りXone:92はRichie Hawtinのようなビッグネームにとっての必需品だったが、PioneerとRaneも同様のハイエンドモデルを発売していることから商戦は激化していた。しかしA&Hは今年初めにXone:DB4を発表、2899ドルという最高価格で売り出し、彼らの最上位モデルを再構築した。クビを長くしてこの機種を待ち望んでいた我々の元にデモ機が到着した時、我々に残された問題は自分たちの興奮を鎮め、客観的なレビューを書かなければならないということだった。果たしてDB4はXone:92の約2倍という大金を払う価値があるのだろうか? DB4は物理的には92と全くの同サイズで、重量は約900グラム軽くなっている。こう書くとあまり大差がないようだが、持ってみると驚くほど軽く感じる。レイアウトは92に似ており、おなじみのXoneシリーズのノブと金属製の3方向トグルスイッチがついている。これらはDJミキサーとしてはややデリケートな感触に思えていたが、実際に使ってみるとそれは気のせいだということに気付く。また各フェーダーのマルチカラーLEDも92と似ているが、92よりもLEDの数が増えており、より高精度なメーターになっている。
ミキサー中央部に目を移すと、このミキサーが伝統的なミキサーとは一線を画していることに気が付くだろう。この部分は通常EQが占有しているが、DB4では4つのメインチャンネル用のエフェクトとループが配置されている。またその右端には有機LEDディスプレイが配置され、通常使用時には各チャンネルのテンポとエフェクトが表示される。 DB4上部には3つの機能を果たすノブが配置されており、これらのノブにはEQ、アイソレーター、フィルターを切り替えてアサインすることが可能になっている。フィルターモードではローパス、ハイパス、そして真ん中のノブがパラメトリックEQの役目を果たすようになっている。DB4はこのような柔軟性を備えていることからほとんど全てのミックススタイルに対応できるようになっており、更にノブのカラーが変わることでどのチャンネルがどのモードになっているのかを直感的に視認できる点は素晴らしい発想と言える。このノブのレイアウトの唯一のマイナス面は、ローパスとハイパスフィルターの特性(それぞれ反時計回りと時計回りに操作)から、モードを切り替えると出音がバラバラになってしまう可能性があるということだ。このような状況を避けるため、プロダクトデザイナーは本体に「soft takeover」を組み込んで出音の急激な変化を防いでいるが、この機能はDB4を使用する際に重宝するだろう。
続けて見ていくと、DB4上部にはインプットソースを切り替えるためのノブとトグルスイッチのコンボセクションが確認できるが、ここで各チャンネルは12のソースから自由にインプットを選択することになる(アナログ4系統、デジタル4系統、USB4系統)。このAllen & Heathオリジナルの「インプット・マトリクス」は非常にパワフルで、複数のチャンネルに同じソースを割り当てることが可能で、その同じソースを使ったチャンネルごとに異なったエフェクトやループを設定したり、そのチャンネル同士でクロスフェードをかけたりすることが可能だ。 そのエフェクトについてだが、各チャンネルに1基ずつ、計4基のエフェクトユニットにはディレイ、リバーブ、モジュレーション、レゾネーター、ダメージの5種類が搭載されている。また各エフェクトにはライブラリが存在し、メインスクリーンからアクセスして選択することが可能だ。またAllen & HeathはフラッグシップモデルiLiveシリーズのDSP技術をDB4のエフェクトと内部プロセッサに組み込んでいる。iLiveのPAシステムは小さな家が簡単に買える価格であり、そのエンジンをDB4に組み込んだということは、このDB4の音質については議論の余地がないということを意味している。最初に92のアナログフィルターがDB4ではデジタル製に置き換えられたという知らせを聞いたとき、我々は酷くがっかりしたのだが、実際に使ってみると驚くほど素晴らしい音質だということに気付く。各チャンネルの「expression」ノブがエフェクトのどのパラメーターにアサインされているのかが確認(例えば有機LED上で)できないという点が、エフェクト部分で唯一改良してほしい点である。
最後にLooperセクションを見ていこう。各チャンネルに1基ずつ設けられ、ノブ1つとLCDだけの省スペースなレイアウトになっている。スペースが小さいため大した機能が無さそうに見えるかも知れないが、その配置と使い勝手の良さは便利性の極みと言える。ループ機能は現在のDJ機器において日々ユビキタス化が進んでいる機能だが、省スペースとEQセクションの真下というレイアウトは、今まで試した他のループ機能と比べて最も使い勝手の良いものと言えよう。 Allen & Heathは素晴らしいアイディアと品質をDB4に持ち込むことに成功したが、残念なことに誰もが気に入るタイプのミキサーではない。デザインから分かるのは、DB4は基本的に最高峰のエフェクトとループ機能、そして切り替え可能なEQを使ってテクニックを披露するためのミキサーだということだ。つまり各トラックの魅力を生かしたミックスをする生粋のDJならば、92のような旧Xoneシリーズに投資した方が良いだろう。更に言えばDB4の高価格設定はこの製品が贅沢品であるということを表しており、かなり激しいツアーをするビッグネームや、最高品質を求めるビッグクラブが買い求める機材なのだ。ということで、我々のような一般層の中でこの最新のミキサーを手に入れたい(もし買えるのであればだが)という人は、テックライダーにDB4を書き足すビッグネームの数が増えて、このミキサーが業界のスタンダードになる日を待つのがベストだろう。それまで待てないという人は貯金を始めることだ。
Ratings
Cost: 3.5/5 Versatility: 4.5/5 Sound: 5/5 Ease of use: 4.5/5
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