James Blake - Order / Pan

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  • James Blakeのデビューアルバムについて「彼のスタイルは、ベースミュージックを放棄してエモ系歌手に転身してしまった。」などといったレビューを見た彼本人は、その当時クスクスと笑っていたに違いない。 彼の音はメロディックすぎるって?“Order”では、音符の“お”の字も出てこない。聴こえてくるのは、鈍いサブウーファーの振動音、紙を破る時のあのシャっとした音だけ。空気が動き回っているかのようであり、また背景には不安定に光る音色のフィラメントを残した感じは、ベースミュージックを極限までにシンプルにしたものだと言える。 Ilpo Väisänenのダンスホールからインスピレーションを受けたという彼の10インチのリリースを思い出した。スペースとボリュームといった点では、“Order”はこれと似たようなアプローチを取っていると言える。 ハイ、ロウといった吐き気をもよおすようなフリーケンシーが、不安定な雰囲気を生み出しているのだ。 一方で、“Pan”はより形の見えるものになっている。同調したタム音がメロディーを作りあげ、リバーブの層が曲に色を加えている他に、2トーンのベースラインも存在する。どれだけ大きな音で聴いても静かな印象しか与えない曲は、まるで誰かがささやいているかのようだ。汚れた部分を拭い取ってBPM 140へアレンジなどしたら、Sleeparchiveをも彷彿させる。こんなにも破壊的で冷たいサウンドを作る彼は、エモでないはずがない。そうでなければ、とっくに死んでいるからだ。
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