Planet Giegling in LA

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  • Planet GieglingのLA公演開催にあたって、いくつかの疑問が生まれた。この世界の片隅で、複数日に渡り開催されるイベントに参加するような同レーベルのファンは、そんなにたくさんいるのだろうか?LAのアフターアワーズシーンは、昼過ぎにスタートしてから16時間続くパーティーについていけるだろうか?母国ドイツでのGieglingのパーティーのマジックを、地球の裏側でも起こすことは可能なのだろうか? 日曜の朝5時頃、筆者はようやく、そうした疑問の答えがイエスであると分かったが、その前までは正直確信が持てなかった。お祭騒ぎが始まったのは木曜の夜だ。コンサートプログラム(とギャラリーショウ、更には物販までも)では、ラップトップを持ったGieglingクルーのメンバーがテーブルを囲んで座り、彼らのリリースの中でもよく知られた楽曲の数々を演奏。クルーのライティングスタッフが、照明器具を用いた素晴らしいショウを行った時を除けば、パフォーマンスを見ているというよりも、リスニングパーティーに参加している感覚だった。しかし、皆の心を奪われたような表情は、その足を組んだクラウドたちが如何にコンサートを楽しんでいたのかを証明していた。 木曜日の健闘は土曜の午後へと続いた。日が沈む頃、筆者が街のアート地区に位置する会場に到着すると、既に混雑している様子。タコスの屋台から肉の焼ける匂いが漂ってくる中、釘付けになりながら足を止めたオーディエンスの正面にあるテーブルで、KonstantinとLeafar LegovによるユニットKettenkarussellが演奏していた。Kettenkarussellの後はEdwardが登場し、長時間のライブセットを披露。彼の頭上にはシルバーのリボンが張り巡らされ、フロア中を行き交うレーザーを反射していた。会場にはこの他にも、天井のネオンLEDや、スペースの中央に設置されたフラッグといったDIYなデコレーションが施されており、和やかな雰囲気を演出していた。
    Edwardのセットの終盤、筆者は夕食をとるために一旦フロアを離れたのだが、再び戻った時、そこはまるで違うパーティーのように様変わりしていた。フロアは暗く、満員で、濃いスモークが焚かれていた。この日のベストアクトだったDJ Dustinによるブレイクスやメロディーが印象的なトラックたちは、最高のタイミングでエネルギーを増していった。Acid CampとEverything But Ecstasyという2組のプロモーターが、どのようにして今回のイベントをやり遂げるのか筆者には分からなかったのだが、いくつか変更を加えることによって(特に照明を落としたのがよかった)、パーティーは午後のチルアウトから激しいウェアハウスレイヴへとすんなりと移行した。 その後、ATEQ、Konstantin、そしてVrilによるDJセットが続いた。ピークタイムの午前2時頃にKonstantinが登壇。Dustinのセットと比べるとパーティー感はなく、全体的に荒削りであった。しかしこの日一番印象深かったのは、彼がWhigfieldによる1995年のユーロダンスヒット"Saturday Night"をドロップし、フロアに笑顔としかめっ面が入り交じった瞬間だ。個人的には、このようなトラックこそが、Gieglingの最も魅力的な資質の1つを引き立てているように思えた。アートショウやライブコンサート、慎重にパッケージされた€100のリリースなどに力を入れているのと同時に、自由にやることを恐れないというお茶目な面が彼らにはあるのだ。 ベルリンのナイトクラブを思わせるVrilのクロージングセットは、Gieglingのまた違った一面を浮き彫りにした。それは、彼らのストレートなテクノへの情熱だ。この日のラインナップの中でも特に力強かった彼のパフォーマンスは、16時間に及ぶ耐久マラソンを踊り抜いたダンサーたちへのご褒美のようにも感じられた。パーティーを振り返ってみると、その多様なラインナップと、全体に漂う神秘感(いずれのプロモーターもセットタイムを知らされていなかったそうだ)から、以前読んだGieglingのイベントのレビューを思い出した。筆者はそのどれにも参加したことがなかった為想像するしかないが、このワイマール拠点のコレクティブは、他の街でのイベントと同じ温かく、マジカルで、何でもありの雰囲気を、アメリカの西海岸まで持ってきてくれたのだろう。 Photo credit: Brennan Schloo