Omar-S - Desert Eagle

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  • アーティストは自分のキャリアの中である時点に達すると、変化を求めるようになる。トレンド、個人的な環境の変化、もしくは、つまらなくなってしまうことへの恐れなど、その理由がいずれにせよ、クリエイティブ面の刷新は特定期間の段階を経て起こることが多く、例としてPicassoの青の時代、David Bowieのベルリン三部作などが挙げられる。そうしてアーティストとして成長する中で多くの重みが育まれる。Omar-Sはそれと同じことを10年以上続けており、最高峰のアーティストであり続けている。彼の最新アルバムのタイトルから察するに、彼もそのことに同意しているようだ。しかし、彼はどのようにしてそれを実現しているのだろうか? 彼にとって身近に親しんできたデトロイトの豊かな音楽遺産がメリットとなっているに違いない。最新12インチのBサイドに収められた"Cry Me A River"で、Omar-Sがサンプリングにより呼び起こしているのは、いまやかろうじて生きながらえているモータウン系サウンドだ。先日の『The Best』に収録された"Seen Was Set"や、Phyllis Hymanにインスパイアされた旧作"Boot Hill"に続く"Cry Me A River"では安らぎの音楽を取り入れ、燃え盛るダンスフロアトラックが生み出されている。 しかし、サンプリングはOmar-Sによるサウンドのほんの一部に過ぎない。例えば、"Desert Eagle"は彼のイメージでもある即席感のあるハウスに近い。ざらついたアルペジオと粉々のリムショットをスムーズで催眠性のあるシンセで輝かせた同トラックには明瞭さがあり、一方では印象的なメロディが奏でられ、もう一方ではたまらなく神経質なビートが組まれている。彼がこれまでに発表してきた作品のAサイドに収録の素晴らしいトラックよりも若干微細になっている"Deser Eagle"は、"Here's Your Trance, Now Dance!!"や「Wayne County Hill Cop's (Part.2)」のような形でヒットしないかもしれないが、それでもやはりうれしい1曲だ。そしてこれだけ多くのおいしい味付けがなされていれば、いくらでも楽しめてしまう。
  • Tracklist
      A Desert Eagle B Cry Me A River