Stefan Ringer - Bossa Grv

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  • アトランタは小さなデトロイトのようになり始めている。モーターシティ出身のKai Alcéはアトランタに住んでしばらくになることに加え、今では同市から暖かくソウルフルなハウスの新世代若手プロデューサーが登場してきている。Byron The Aquariusはアトランタとバーミンガムの二都市を拠点にしながら、Wild Oats(英語サイト)やSound Signatureといったレーベルから暖かなブーギースタイルのトラックを発表してきている。他にもJay SimonのMust Have Recordsはアトランタに本社を構え、Fit Of BodyやTWINSのような若手プロデューサーが独特な路線を切り拓いている。アトランタのアーティストStefan Ringerはデトロイトスタイルのハウスと新しく捻じれたテンプレートを掛け合わせて半分で割ったサウンドを制作しており、影響力のあるアーティストたちの注目を集めている。この数年間で彼はAlcéのNDATLやHow To Kill、Peoples Potential Unlimited、そして、地元のCGIやHarsh Riddimsといったレーベルから独特なトラックを発表してきた。Ringerはアトランタ屈指の若手アーティストのひとりで、Argotから発表された彼の新作「Bossa Grv」においてもいつも通りのサウンドを披露している。 "Bossa Grv”では素材がそれほど使われていない。RingerはGetz & Gilbertoのレコードからサンプリングした震えるギターサウンドをMPCに浸け込み、引きつったようなドラムトラック上に展開しているだけだ。しかし、そのリズムは他と一線を画すには十分なものだ。大抵のプロデューサーならモノトーンなキックを8分間鳴らすだけで満足するだろうが、彼はホワイトノイズやつんのめるようなキック、美しいサンプルへと高まっていくライドシンバルを含むドラムサウンドを使いながら、16小節ごとに変化を加えている。彼は楽曲を単純明快なものにできない性分のため、"Bossa Grv"はDJにとって扱いづらいものかもしれないが、このアプローチは印象的だ。3音からなる坦々としたベースライン以外のメロディ要素を削ぎ落とした"Drum Track"バージョンですら個性に満ち溢れている。 Bサイドの"To The Bone"はRingerによるDance Maniaへのトリビュートといった具合のトラックで、跳ねるパーカッションと即席のスネアパターンが詰め込まれているが、そこには引き続きスウィングする深みのあるグルーヴが保たれている。スムーズなシンセサックスとタフでメロディアスなベースによってVincent FloydがDance Maniaから発表したドリーミーな作品と同じ領域に位置するトラックに仕上がっている。
  • Tracklist
      A1 Bossa Grv A2 Bossa Grv (Drum Track) B1 To The Bone