Satoshi Fumi - Essential EP

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  • 2010年、Yoshi Horinoによって設立された東京を拠点とするレーベル・UNKNOWN season。レーベル発足から暫くはデジタル配信をメインに展開し、まだそれほど知れ渡ってはいない日本人アーティストを積極的にサポートする事に務め、この6年で膨大な量の作品を残すなど着実な結果を残している。テクノやハウス、または古典的なデトロイト・ハウスやリスニング寄りのエレクトロニカまでその音楽性は広がり、デジタルでのリリースのし易さを活かして枠に縛られる事のない運営を続けている。そのレーベルの中でも特にプッシュされている一人がSatoshi Fumiで、2000年初頭から国内外の多くのレーベルから美麗なメロディーが映えるテック・ハウスをリリースし、今も堅実な活動を続けている。 本作はUNKNOWN seasonにとっては6枚目となるアナログの作品であり、そしてFumiがこれまでに発表してきた作品を纏めた正に言葉通りに「Essential」な内容だ。オリジナルではなく敢えてダブ・バージョンやリミックスなどを纏めた点で、アーティストをより深堀りするようなEPではあるが、その内容からして話題性も十分だ。アコースティックな弦楽器を爪弾きしたようなメロディーが耳に残る"Earth Beat (Dub)"は、有機的な響きのパーカッションや宗教じみたチャントも加わって、何だか土着的でスピリチュアルな趣きもあるディープ・ハウスだ。フィラデルフィアのテック・ハウサーであるPete Mossがリミックスを行った"Stay With Me (Pete Moss Remix)"は、粘性の高いリズム感にパルスのような覚醒的なシンセリフ、そして酔ったように揺れるベースラインによってじわじわと嵌めるタイプのテック・ハウスになっている。話題と言えばタイムリーに再度春を迎えている寺田創一の曲のリミックスである"Low Tension (YoshiFumi Remix)"が収録されている事で、原曲のエモーショナルなイメージを損なう事なく、骨太なリズムに生まれ変わらせつつ耽美なピアノのソロや抜けの良いパーカッションを添加し、洗練されたハウスは現代へと適合させつつクラシカルな風合いもある見事なリミックスになっている。また期待の若手DJであるIori Wakasaがリミックスした"4MM (Iori Wakasa Remix)"は他の曲とは風合いが異なり、メランコリーなピアノが静謐な旋律をなぞり睡魔を誘うように夜の帳が下りる時間帯を感じさせ、Ioriの繊細な音楽性が如実に反映されている。全てデジタルでは既発の曲ではあるのだが、わざわざこうやってアナログ化するだけあって話題性・内容共に充実しており、Fumiを知らない人にとっても入門作としても適切ではないだろうか。
  • Tracklist
      A1 Earth Beat (Dub) A2 Stay With Me (Pete Moss remix) B1 Manabu Nagayama & Soichi Terada - Low Tension (YoshiFumi remix) B2 4MM (Iori Wakasa remix)