Batu - Monolith

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  • Livity Soundの影響下から現れているイギリスのプロデューサーの中で突出しているのはBatuとHodgeだ。ふたりはPeverelistとKowtonが残したアイデア(崩したドラムパターン、伝統的なダブエフェクト、モノトーンなシンセ)をUKクラブミュージックの多様なスタイルを取り入れた新領域へ持ち込んでいる。Hodgeがダークな路線に進む一方、Batuは遠くへ逸脱している。Batuのビートはリリースを追うごとに解体されていき、Angus Finlaysonが「若干物足りなさを感じる」と称した感覚をDJに与えることになった。しかしその感覚こそがブリストル屈指の異質な音楽の源泉となっている。BatuのレーベルTimedanceから3枚目となるリリース「Monolith」ではこのアプローチがさらに一歩推し進められている。これまでの12インチと同様、本作もこれまでで一番の仕事と言っていいだろう。 拍子抜けするほどスローな表題曲は迷宮に引きずり込まれているかのように聞こえる。6分間に渡ってトラックが進行していくにつれ、一貫して形を変えながらますます奇妙になっていき、ドラム素材はひたすらいびつになっていく。昨年のBatuによる奇怪なトラック"Bleeper Feed"をチェックしている人なら、聞き覚えのある攻めのアプローチだ。"Void"も同じく頑なに奇妙だ。質感豊かなドラム素材は打ち付けられるたびに細かく波打ち、エフェクトは非常に味わい深い残響を生み出している。 本作のイチオシは"Reez"だ。Batuの過去作品に通ずる鋭いスウィングを伴ったブロークンビーツが組まれているが、同時に本作で最も狂っているトラックでもある。従来のベースラインではなく、ドラム素材によって弾力性のあるローエンドを生み出してバウンス感を強調しているため、激しく打ち付けるトラックでありながら、非常に軽やかだ。Lee Gambleによる"Reez"のリミックスでは彼の出世作『Diversions』と同じアプローチが取られており、原曲にガス状のシンセを浴びせ、ドラムパターンを錯乱した痙攣サウンドにまで解体している。同リミックスによって締めくくられる本作はブリストルのベースミュージックを粉々にして未踏の領域へと迫る1枚だ。
  • Tracklist
      A1 Monolith A2 Reez B1 Void B2 Reez (Lee Gamble 3rd Rail Deconstruction)