JAL - Seeking Ancient

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  • 2006年にRawfilaによって神戸で発足されたGrasswaxx Recordingsはファーストシングル「Sensimilla」以降、着実にリリースを重ねてきた。KAZHIRO名義でエレクトロニカを交えた実験的なDJをプレイしていた彼のドープな酩酊感は、近年、同レーベルが展開しているディープなテクノトラックにおいても通底している。2014年のデビュー作に続く「Seeking Ancient」をリリースしたJALも同じ系譜上に位置するプロデューサーである。以前からオリジナル楽曲に合わせてリミックスをカップリングしてきたGrasswaxx Recordingsが本作のリミキサーとして選出したのは、Prologueからのスペーシーな諸作品で知られるClaudio PRCと、日本国内のパーティーシーンで評価を獲得してきたKeihin、そして彼の盟友にして制作パートナーであるSumisonicだ。 重厚なキックによるビートと底辺で轟くサブベースを主軸に据えた”Hydra”では、かなぐるようなスタブと加工された複数のホワイトノイズが交互に入り乱れる。パンニングやフランジャーといったエフェクト処理や、SE的に挿入される細やかなサウンドは、フロアでの没頭と高揚を効果的に演出するだろう。”Nebula”でも同系統の素材が使われているが、疾走感溢れるハイハットと奥深い山々にかかる靄のように緩やかな起伏を繰り返すパッドによって”Hydra”とは異なる印象が生まれており、JALの深い表現力の証明となっている。Keihin & Sumisonicによるリミックスは、長いDJ歴を持つKeihinのプレイを聞いてきた人なら納得の内容だろう。存在感を増したキックと数種のグリッチ音を使って3分間に渡るタメを作った後、原曲の素材に深くリバーブをかけてトバしていく展開には、黙々と人々が揺らめく深い時間帯の光景を思い浮かべてしまう。B2に収められたリミックスの序盤だけを聞くと、原曲と全く同じトラックに思えてしまうが、しばらくしてベースリフが重ね合わされた瞬間、瞬時にしてClaudio PRCによるアレンジだと分かる。本作においてもPrologueのファンにはたまらない、延々とハマり続けられるグルーヴが披露されている。
  • Tracklist
      A1 Hydra A2 Nebula B1 Hydra (Keihin/Sumisonic remix) B2 Hydra (Claudio PRC remix)