Parris - Burr / Blue

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  • Parrisは水面下の存在として知られる男だ。Keysound周辺のムーディーなシーンから派生したレーベルSoundman Chroniclesを運営し、WenやEtchといったイギリスの若手プロデューサーの作品をリリースしてきた。彼はソーホーにあるBlack Market Recordsで数年間働いていたが、今ではTempaに関わっている。ダブステップの黄金期におけるスモーキーな視点で現行のスタイルを捉えたものが彼のお気に入りの音楽であることを考えると、それも納得だ。それに比べると、プロデューサーとしての彼の経歴は印象が薄く、公式リリースとしてWenとのコラボレーションによる12インチの秀作が1枚発表されているだけだ。しかし、Idle Handsに提供した「Burr / Blue」によって、その状況も変わっていきそうだ。 極めてスタイリッシュでシンプルな収録トラック2曲は、Malaの広大な空間性とブルーな雰囲気に敬意を払っている。大量のダブステッププロデューサーがテクノのテンポで制作を行ってるが、その中でParrisの視点はユニークだ。彼が使うコードはダブギターのサンプルを衰弱させたようなサウンドだ。それをループにしてピッチ加工することで、バチバチと光る粉塵が形成される。控えめなドラムパートは考え抜かれており、各要素が入念に配置されているため、トラックの勢いを持続させる強大なサブベースラインが鳴らせるだけの空間が十二分に残っている。 "Blue"は見事だ。がらんとした空間に吹き抜ける柔らかな風の音を使い、リスナーの頭を黙々と上下に動かすような、とても考えられたトラックに仕上がっている。しかしオススメは"Burr"だ。周波数スペクトラムの極めて低い部分に位置しているにも関わらず、重々しくダブワイズされたラインを奏でるベースには激しく興奮させられる。まともなサウンドシステムで鳴らせば、Parrisのベースは胸を打ち震わせると同時に、まるで全身を抱擁されているかのような奇妙な心地よさを感じさせる。それはDMZ信者にとって最大級の賛辞だ。
  • Tracklist
      A Burr B Blue