Oskar Offermann - Le Grand To Do

  • Share
  • Oskar OffermannによるブログFriends & Values(英語)での自由奔放な投稿の中には、フライフィッシング、フィットネスの計画、心地よく素敵なクッションのおすすめ、といった情報が含まれている。このように上品で成熟した時間の過ごし方は、彼のニューアルバム『Le Grand To Do』の大部分と相性抜群だろう。 ベルリンに10年以上住んでいるOffermannは、眠れないクラブ生活から距離を置く時間が必要だと語っているが、『Le Grand To Do』の根底部分には引き続きハウスミュージックが流れている。このアルバムはニューエイジミュージック、瞑想、ヴィーガニズムにインスピレーションを受けている。しかし、そうした単語が抱かせるイメージよりも実際のサウンドは楽しげだ(とても内省的な場面にさえ、それはあてはまる)。Offermannのボーカルは自助哲学の本で見かけそうな平凡な常套句を思わせるが、決して説教じみてはおらず、音楽の中で最も重要な位置を占めている訳でもない。 ニューエイジミュージックが『Le Grand To Do』に与えた影響はシンセに乗って伝わってくる。例えば、"Embrace The Condition"のシンセは、Ozric Tentaclesなどのスペースロックバンドが繰り広げていそうな世界観に通ずる響きだ。歯切れのいいビートと泡立つ電子音を用いた同トラックは、エレクトロをアイソレーションタンク内で鳴らしているかのようで、Offermannがかつてプロデュースしていたヒップホップを彷彿とさせる。同じことはブームバップを真似た"I Wonder"にも言える。しかし、『Le Grand To Do』の大部分は、Aimや自身のWHITEといったレーベルから彼が発表してきたハウス/テクノをよりメロウな形にしたもので、2012年のデビューアルバム『Do Pilots Still Dream Of Flying?』と明らかに同じ路線にある。 Offermannはスタジオセッティングをチープなドラムマシンとシンセに限定しているが、わずかな素材だけでも彼は想像力豊かになれる。意外な要素("Carol's Howl"の終盤で使われるディストーションギターなど)が加えられるのはごく稀で、彼はその代わりに様々なムードとテクスチャーを、ベーシックな4つ打ちリズム、力強いベースライン、軽やかなシンセ、ボーカルループから生み出している。"Koleu"におけるパーティー序盤のディープハウス、"Banunas"でのヒプノティックなテクノ、"Les Doors"のくすぐったがりなエレクトロニックグルーヴ、"Stormy Past"でのスローモーションシャッフルなどだ。そして最後には"Understandable"の柔らかなピアノが奏でられ、メランコリーな雰囲気でアルバムが締めくくられる。『Le Grand To Do』は前作からそれほど進化している訳ではないが、それでもこのドリーミーでメロディアスなハウスサウンドは座って聞いても、踊って聞いても素晴らしい。
  • Tracklist
      A1 August '14 A2 Find Yourself A3 Carol's Howl B1 Banunanas B2 Embrace The Condition C1 Les Doors C2 I Wonder D1 Koleu D2 Stormy Past D3 Understandable