Tropic Of Cancer - Stop Suffering

  • Share
  • Camella LoboによるプロジェクトTropic Of Cancerが2013年に発表したファーストアルバム『Restless Idylls』のレビューで、Aaron Coultateはその音楽を「殺伐」「禁欲的」「必要最低限」などと称していた。さらに、LAのアーティストである彼女が「病みつきになるほど滑らかな独自のサウンド」を作り上げ、そのサウンドがどこに向かうことになるのか「非常に興味深い」と、彼は記していた。Loboにとって2年ぶりのリリースとなる3曲を収めた「Stop Suffering」は『Restless Idylls』からそれほど大きく変化をしていないが、彼女独自の領域をさらに探求しており、その興味深さは全く衰えていない。 全3曲がLobo自身によって書かれた後、彼女はさらなるプロダクションとミキシングを行うため、Joshua Eustis(Telefon Tel Aviv / Sons Of Magdalene)を迎えた。ヴァイナル限定(英語サイト)で今年発表されたコンピレーション『I Can't Give You The Life You Want』にもともと収録されていたムーディーなトラック"I Woke Up And The Storm Was Over"の別バージョンでは、少しアップデートされた彼女を捕まえることができる。立ち込める擦り付けられたリバーブや、膨れ上がるスモーキーなシンセは厚みと幅を増して高い濃度になっており、そこからLoboが幽霊のように現れているかのようだ。こうした不明瞭さは彼女の声と上手く絡み合っている。彼女による柔らかなメロディを感じ取り、耳をさらに近付けると、それに比例して周囲の澱みがリスナーを包み込んでくる。 "Stop Suffering"や"When The Dog Bites"といった比較的新しい曲では、このアプローチがさらに押し進められており、ほっそりとしたギターが奏でる同様の不気味さを持つサウンドや、ミニマルなドラムパターン、そして、豊かなシンセの音色が使われている。コードの微かな変化やアレンジメントの移行のみでLoboのシンプルな作品がこれほど魅力的になれることは特筆に値する。それは彼女のソングライティングとサウンドデザインのクオリティを証明している。Tropic Of Cancerのポストパンクな趣向と、その他の不必要な要素を削ぎ落したことで、「Stop Suffering」は彼女の音楽を強力に仕立てている核の部分に到達している。
  • Tracklist
      A1 Stop Suffering B1 I Woke Up And The Storm Was Over B2 When The Dog Bites