Dva Damas - Wet Vision

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  • Dva DamasはDownwardsから新作を発表する度に、自身のルーツであるギターとホラーパンクから離れて、電子音とコールドウェーブの世界の奥へと果敢にも飛び込んでいる(「Wet Vision」はその3枚目にあたる)。ロサンゼルスで活動する彼らのサウンドの土台となっていたのは45 Graveスタイルで弾かれるギターだった。しかし、それも次第にか細い装飾音にまで削ぎ落とされている。タイトルトラック"Wet Vision"では、対となる澱んだ別バージョン"Wet Vision Pt II"と同様、不気味に爪弾かれる弦の音しか使われていない。まるで視界の隅を漂う幽霊のように、ふっと現れては消滅していく。ボーカルを務めるTaylor Burchの役割が変化していく中でも、この消滅していく感覚がポイントとなっている。かつては肉体的で即感性が強かった彼女の深いテナーボイスは、今では蒸発しそうな残響音と切り取られた子音を交互に発しているだけだ。 こうして余分なサウンドを取り除くことで、ますます複雑化する彼らのリズムが配置するための空間ができあがる。"On Your Heels"と"Theme For Silence"では、鼓動、轟く音、破裂音音、そして大量のローエンドによる斬新な方向性が強調されている。身体を這うような不安感とKraftwerkスタイルの雰囲気が緻密に織り込まれた空間が広がる"Theme For Silence"は、彼らがこれまで発表してきた作品の中で最も精練されたトラックだ。総じて考えると、「Wet Vision」は非常にクールな12インチだ。本作でのDva Damasは、まるで黒のマスカラを施したGlass Candyのようであり、ロサンゼルスで盛り上がりを見せるインダストリアル/ゴスシーンを体現している。
  • Tracklist
      A1 Wet Vision A2 Theme For Silence B1 Wet Vision Pt II B2 On Your Heels