Sawf - Masif

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  • 非常に激しいハードテクノを作ることもあるギリシャ人プロデューサーSawfだが、通常、作品はハウスのテンポであることが多い。彼がどのようにしてロウな感覚を毎回生み出しているのかを正確に語るのは難しいが、おそらくそれは、巧みなサンプリング音、激しいパーカッション、そして、安定したグルーヴに関係があるのだろう。Sawfのプロダクションは広大でファンキーだが、同時に、威圧的でダークでもある。この特徴を効果的に両立できるプロデューサーはなかなかいない。彼にとってProsthetic Pressingsから初のリリースとなる「Masif」には、そうしたSawfのトレードマークと言えるスタイルの例となるトラックが収められている。 今回のトラック4曲は鋼のように硬くありながら、しっかりとスウィングしており浮遊感が保たれている。本作で唯一、単純明快なビートになっているのが、1曲目の"Stepa"だ。BPM127のトラックだが、おそらく、このBPMのままでプレイされることはないだろう。膨張するドラムサウンドの勢いが衰えることは一切なく、常にエネルギッシュな状態にあり、その向こう側ではざらついたサンプリング音がループしている。そして、残りのトラックはと言うと、ブロークンビーツとアンビエントで構成されている。メランコリックにシャッフルする"Masifia"は、"Stepa"の荒々しさに比べると、シネマティックに感じる。一方、テンポを半分に落とした"Kaseta"は、パーティの非常に早い時間(もしくは、遅い時間)に相応しいトラックとなっている。両トラックとも十分素晴らしいのだが、ビートレストラック"Kekra"を聞く頃には、ピークタイムのキラートラックをもう1曲聞きたくなってくる人も多いのではないだろうか。
  • Tracklist
      A1 Stepa A2 Masifia B1 Kaseta B2 Kekra