трип - The Deviant Octopus

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  • Nina Kravizによるレーベルтрипから初となるリリースはダブルパックというボリュームだ。その内容には多くのレーベルのコンピレーションが霞んでしまうことだろう。「The Deviant Octopus」は非常に明確なスタイルを持ち合わせており、彼女が何年もこのプロジェクトに向けて取り組んできたような印象を与える。Underground Qualityからの初期作品で彼女が濃霧のようなグルーヴを用いて制作していた音楽の次なるステップが、今回の収録曲であるということは、ある意味、当然だと言える。今後リリース予定のミックス『DJ-Kicks』と合わせて考えた時、『The Deviant Octopus』はディープでドラッギーなダンス・ミュージックの名手としてKravizの名を広めることになるだろう。 Kravitz自身によるトラック2曲では彼女の最良の音楽性を見受けることが出来る。その2曲とは、超空間的トラックProzimokampleme"と"IMPRV"だ。比較的分かりやすい内容の"IMPRV"はKravizが最も良い形で表れており、坦々としたビートが焦らすような囁き声によって強調されている。"Prozimokampleme"では彼女の異なる一面を見せており、さえずり声のようなリフを13分間に渡って鳴らし続け、その間の展開は遠く離れた場所でストリングスのメロディが加わるのみだ。音数は少ないにも関わらず、心を掴まれるこのトラックは過去3年における彼女のプロデューサーとしての成長を見事に映し出している。 Kravizのキャスティングによって本作に参加した彼女の友人たちも同等に仕上がっている。デトロイトのプロデューサーTerrence DixonによるプロジェクトPopulation Oneのトラック2曲を新参レーベルが収録するというのはちょっとした事件だ。Dixonのアツい音楽性がこの両トラックからも感じられる。"Out Of Control"はループ主体のトラックで、中心から離れていくような印象の"Bonus Beats"は遊園地のコーヒーカップのテクノ版だ。Steve Stollによる"Pop Song"では浮遊感のある低域処理を行い、Bjarkiの"Polygon Pink Toast"はキックだけを残して絶えず解体しているような印象だ。 アイスランドのプロデューサーExosは壮大なトラック"Nuclear Red Guard"を通じてKravizと同等の域へ達しようと試みている。Robert HoodとRolandの間にあるようなヘビーなトラックだが、"Prozimokampleme"ほどダイナミックであるわけではない。13分間もある"Nuclear Red Guard"を2回以上、通しで聞くことはないだろう。このぎこちなさを解きほぐすかのように、Kravizは最後にParrish Smithの短いインタールード"1.0 / 8.0 Afrika Genocide"を持ってきた。トリッピーなこのトラックは"The Deciant Octopus"の有終の美を飾っている。クラブ仕様のミニマルなトラックを見事な順番で収録した本作を聞くと、Kravizにとってレーベル運営はごく自然なことのように思わされる。
  • Tracklist
      A1 Nina Kraviz - Prozimokampleme A2 Steve Stoll - Pop Song B1 Nina Kraviz - IMPRV B2 Bjarki - Polygon Pink Toast C1 Population One - Out of Control (Vocal Mix) C2 Population One - Bonus Beats D1 Exos - Nuclear Red Guard D2 Parrish Smith - 1.0 / 8.0 Afrika Genocide