Diego Krause - Unison Wax 02

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  • Diego Krauseは車輪の再発明をしているのではない。ベルリンのレーベルBeste Modusや、彼自身のレーベルUnison Waxを通じて届けられているトラックは、適度にディープなハウス・ツールだが、幾度の無く繰り返されてきた形式から切り出されている。つまり、ディープなキック、跳ねるベースのループ、歯切れのいいクラップ、ジャッキンなハイハット、リバーブの効いた短音コード、そして時折ディーバの歌声が用いられているのだ。ガラージの影響を受けたハウス・プロダクションの伝統に彼が立ち向かうことは決してないが、かといって、彼の作品は古めかしく画一的に聞こえるわけではない。むしろ、シンプルで効果的な方法によって、ハウスという公式に新鮮なエネルギーをもたらしている。Unison Waxから2枚目のリリースとなる本作のB1に収録された"Vertical"では、Krauseは絶妙なダイナミクスを駆使して、トラックを面白く保っており、ハイハットやクラップは時折、ピッチとリズムが変化し、ビートだけ残して全てを吸い込み、力いっぱい一気に吐き出しながら、トラックは呼吸しているかのようだ。 彼がBeste Modusに提供した作品では一部、短音のピアノ、オルガン、そして壮大なボーカルが用いられていたが、Unison Waxのカタログでは、さらに要素を削ぎ落としたスタイルかつ、抑えられた範囲の影響を反映している。第一弾のリリースのように、今回の12インチでも、ダビーなコード、ご機嫌なドラム、そして躍動するベースラインから構築されたハウス・トラック3曲が提供されている。A1に収録された"Mogul"は陽気なジャッキン・トラックだ。気楽なムードを保ちながら、打ちつけられるドラム・ヒットの周りを、波打つコードがあちこちへ反射している。その対となるのがB2のメロウなトラック"Citizen"だ。軽快な音を立てるハンド・ドラムとムーディーな旋律に、丁寧にアレンジされたハイハットが刻まれる中、滑り込んでくるメロディが眼前に立ち上がってくる。今回のトラック同様にシンプルにまとめるならば、Krauseの作品は凡作とするには余りにも素晴らしすぎるということだ。
  • Tracklist
      A1 Mogul B1 Vertical B2 Citizen