Traumprinz - All The Things

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  • Prince Of DenmarkことTraumprinzによるGieglingからの最新作「All The Things」のパッケージングを見れば、多くの愛情が作品に注がれていることが分かる。レコードは向こう側が透けて見えるほど薄いティッシュ・ペーパーに包まれており、手作業による金色のマークが明快な雲のイメージを表している。本作のアートワーク自体は、おぼろげながらも、日没時のうねりに焦点をあてている。これは、Traumprinzが自身のラック"There Will Be Ecstasy"のために作成したビデオが捉えた光景でもある。 こうしたきめ細かい提供の仕方に、音楽自体も負けていない。Taumprinzはドラマティックなボーカル・サンプルを使うのを好んでいる。彼のアルバム『Mothercave』は一部、このボーカル使いによって若干、おかしな印象になっていたが、今回は非常に上手く機能している。甘ったるい内容ではあるのだが、タイトル・トラックの"All The Things"と"I Gave My Life"は共に無防備なまでに愚直なトラックだ。"All The Things"では、重たいディープ・ハウスのグルーヴがぐいぐいと前身していく一方、「Don't cry, even when the road is hard / 泣かないで。たとえその道が厳しいものであったとしても」と男性の声を変調したような不安定なサウンドに続き、ハウス・ディーバによる歌声が「I'm gonna do all the things / 私が全部やるわ」と加える。"I Gave My Life"では、水面下で聞こえるようなメロディが、急に何かを悟ったかのような感覚を生み出しており、1人の男が、何年もレクリエーション・ドラッグを使用した後に、突如、宗教に目覚めたことについて語っている。ダンス・ミュージックはほとんどの場合、無信教かつドラッグ文化という状況の中で、人々が何を信じているとしても、この男の話は心を揺さぶるものであり、刺激的なアレンジだ。アシッドやエクスタシーの話から突然、「we need to give our lives to Jesus / 我々の命をイエスに捧げなければならない」と話し出す場面が、ダンス・フロアにどのような効果をもたらすのか気になるところだ。 残りの2曲はもっと控えめになっている。"Messed Up Jam"は早朝に聞かれる音楽だ。しかし、それはパーティー的な意味でではない。柔らかなビートが悲しげなコードを無理やり前に押しやっているこのトラックは、朝5時にアパートに独りでいるときのサウンドトラックとなるものだ。"Let It Go"は、そのほとんどが、ちらつく旋律から成り立っている絶妙なアンビエント作品で、風が吹き抜けるような颯爽としたサウンドと、Buddha Machineスタイルのドローンが用いられている。全体で見れば、本作はもの悲しい魅力を持っている。興味を刺激するプロデューサーTraumprinzによる最良作の1つとなる作品だ。
  • Tracklist
      A1 Messed Up Jam A2 All The Things B1 I Gave My Life B2 Let It Go
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