Sully - Blue

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  • Keysoundのアーティストの中で、最もE.M.M.A.との関係が深いのはおそらくSullyだろう。E.M.M.A.のデビュー・アルバム『Blue Gardens』(英語サイト)で追求したシンセ主導のアプローチが共通しているからだ。同レーベルよりSullyの新作となる2枚組EPでは、哀愁漂うメロディがヘビーなリズムの間を駆け巡っており、そこから生まれる情感は、一連のハードコアな作品においてエモーショナルな性質を反映させているKeysoundのレーベルカラーに相応しいものだ。 タイトル・トラック"Blue"でのメランコリックな雰囲気は最も力強く、そびえ立つブレイクビーツがメロディとボーカル・サンプルの土台となっており、"Charms"では、高エネルギーを内包した歯切れのいい質感のシンセが、合金で出来たように鋭くとがった印象を与えている。躍動する"M141"のタフな感覚とは対照的に、Logosは"Blue"の"Vapour Dub"バージョンにて骨組みになるまで素材を削ぎ落とし、隙間を十分に取って打ち鳴らされるドラム・ヒットと、延々と続くコードによって、オリジナルを奇怪なサウンドへと作り変えている。そして、"Routine"や"Simple Things"での煌びやかなシンセワークが呼び起こす哀愁によって、1994年に対するオマージュとしての「Blue」という印象がより一層増している。
  • Tracklist
      01. Solitaire 02. Checkmate 03. Simple 04. Charms 05. Blue 06. Blue (Logos Vapour Dub) 07. Routine 08. M141
RA