DJ Nature & Kuniyuki - DJ Nature & Kuniyuki EP

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  • 電子楽器と生演奏を巧みに操るKuniyuki Takahashiは、テクノやハウスにジャズやアンビエントまで音楽の幅を横断し創作活動を続けているが、その音楽性は他者とのコラボーレーションにおいても相乗効果を発揮している。例えば過去にはMinilogueとして活動するSebastian MullaertやMarcus Henrikssonと、またはVakulaと、そしてHenrik Schwarzとコラボレートし、それ以外にも多くのアーティストをフィーチャリングして、Kuniyukiの音楽性に異なる他者の個性を溶け込ませながら音楽の幅を広げる事に成功している。そしてMassive Attackの前身となるThe Wild Bunchの元メンバーであり、ブリストル・サウンドの立役者の一人でもあるDJ MileことDJ Nature。その輝かしい経歴とは裏腹に00年代にはひっそりとした活動しか見られなかったものの、2010年以降におけるDJ Nature名義でのアブストラクトなディープ・ハウスでシーンの最前線に返り咲き、今再び注目を集めている。 本作は以前からコラボ作に意欲的な和製レーベルのSound of Speedからのリリースとなるが、ここでは前述したKuniyuki TakahashiとDJ Natureとの共同制作が行われており、それらを互いにリミックスし合った共作が収録されている。両者が手掛けた曲を比較してみると、やはりそれぞれの特徴は明確に表れている。DJ Natureがリミックスした"Groove Chase (DJ Nature Version)"は、アフリカンなパーカッションが軽快さを打ち出しながら、ワウペダルを用いたうねるギターやオルガンの渋さが前面に出た事で、滲むような黒さが侵食するスピリチュアルなハウスの趣がある。一方Kuniyukiがリミックスした"Groove Chase (Kuniyuki Version)"は、こちらも躍動感のあるギターやなどの音色はあるものの、そこに仄かな情緒を添えるようなシンセのラインも加えられて、Kuniyukiらしい温かく情感のあるディープ・ハウス色が前面に出ているのが特徴だ。両曲ともそれぞれが持ち味を活かしているのだが、勿論二人の共作という点ではKuniyukiのオーガニックな質感やDJ Natureのソウルやジャズの黒人音楽の要素が溶け込んでおり、相性の良さは言うまでもないだろう。またもう一つの共作である"Reveal Yourself"は、実に有機的な躍動を見せるパーカッシヴなリズムの上にKuniyukiによるピアノの旋律と思われる切ないメロディーが重なり、大胆なビートを打ち鳴らしながらもしっとりと心を濡らすアフターアワーズに最適な曲だ。それを更にDJ Natureがエディットした"Reveal Yourself (DJ Nature Edit)"は、幾分かDJの為にリズムを強調したパートが多くなっているが、原曲から大きな変化はない。それぞれのリミックスを味わう楽しみがある面白い1枚ではあるが、単に話題性や物珍しいだけでなくアーティストの音楽性が上手く反映された作品として評価すべきであろう。
  • Tracklist
      A1 Groove Chase (DJ Nature Version) A2 Reveal Yourself (DJ Nature Edit) B1 Groove Chase (Kuniyuki Version) B2 Reveal Yourself