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  • Matthew Herbertによるハウスに焦点をあてたプロジェクトであるHerbert名義は、もう使われなくなっていたと思っていた。それも当然だ。昨年には、復刻版として130のトラックを収録したコンピレーション『Complete』がリリースされてはいるものの、最後の新作を発表してから8年が経っているからだ。しかし、その考えは間違っていたようだ。Herbertが1995年から96年にリリースした遊び心溢れる軽快なシリーズ「Parts 1-5」の続編が届けられたのだ。しかも、このシリーズの内容に完全に沿って自然に聞こえるものになっている。 1曲目の"One Two Three"は、トロピカルなパーカッション、暖かいキーボード、そしてゲスト・ボーカルであるRahelの涼しげな声による、明快なサマー・ハウスの素晴らしいトラックだ。Rahelは、ロンドンを拠点とするバンドHejiraのメンバーだ。Herbertは2013年にこのバンドのアルバムをプロデュースしている。その他のトラックでは様々な点で、よりダークな内容になっており、"Manny"では、味付けとして、パンチの効いた印象から極上の感覚へと何度も変化していくボーカルの断片を、殺伐とした骨格のリズムに加えている。 逆サイドの"My DJ"も似たような風景を描いており、繰り返し拉げていく機械的なサウンド、激しくフィルターのかかった女性ボーカルの短いフレーズ、クラブ・トラックとして耳にこびりついてくる壊滅的なベースが用いられている。一方、"Grab That Bottle"は、さらにとげとげしさを増しており、ベース、ハット、シンバル、そしてシンプルなテクノ・シンセが作り上げる戦場のような風景に、激しい勢いで鳴らされるキーボードが色彩をもたらしている。「Part 6」には、特段、取り上げる必要がある深刻なマイナス点はない。本作で展開された最も創造的な挑戦が、基本に立ち返ろうとしていることを嬉しく思う。
  • Tracklist
      A1 One Two Three A2 Manny B1 My DJ B2 Grab The Bottle