A Winged Victory For The Sullen - Atomos VII

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  • A Winged Victory For The Sullenは、Dustin O'HalloranとAdam Wiltzieによるユニットで、2人は、ドローン・シーンの重要プロジェクトStars Of The Lidとして最も知られている存在だ。セルフ・タイトルで発表したデビュー・アルバムでは、O'Halloranによる極上かつ荒涼としたピアノ音楽と、Wiltzieによる密度の濃いドローンを組み合わせたものを聞くことが出来たが、彼らのソロ・ワークをよく知っている人にとっては、それほど期待に沿うものではなかった。しかし、忘れられつつある憂鬱感を、ユニットを組むことによって、絶え間なく生み出すことが出来ると彼らは感じているようだ。 KrankyとErased Tapesによって再びリリースされる予定となっているA Winged Victory For The Sullenのセカンド・アルバム『Atomos』は、若干ながら異質な性格を持っている。この作品は、LPとして単体作品というわけではなく、コリオグラファーであるWayne McGregorによる同名の舞踏作品のための音楽であり、「身体、動作、映像、音、そして光を、強烈な感覚を持つ細かな断片へと」細分化するもののようだ。アルバムに先行して発表される本EPのタイトル・トラック"Atomos VII"は、彼らのファースト・アルバムでのドローン作品よりも、さらに大きなドラマ性があり、広がりを持とうとする性質がある。持続する弦楽器の音色が、膨らみながら広大な範囲を埋め尽くしていき、高音のドローンと対となるメロディが加わってくることで、トラックに息吹が与えられている。 そのタイトル・トラックの"Greenhouse Re-Interpretation"では、Ben Frostが、素材を擦りつけるような分厚い音色へと変化させており、自身の作品におけるとげとげしさを和らげているかのようなサウンドが展開している。前述のデビュー・アルバムからの1曲"Minuet For A Cheap Piano Number One"に限っては、本作の文脈に合っていない気がする。"Atomos VII"の流れから外れるようなものは、ここでは必要とされないだろう。
  • Tracklist
      A1 Atomos VII A2 Minuet For A Cheap Piano Number One B1 Atomos VII (Greenhouse Re-Interpretation)