Varg - Gravrosens Bortgomda Band

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  • Abdullah RashimのレーベルNorthern Electronicsの第1弾となるリリースを飾った他、RashimとのユニットUlwhednarを展開するスウェーデン人プロデューサーVargが、Semanticaからの登場となった。もともとはPeriferinやFuneral Fogといったレーベルからフォーク・アンビエント作品をテープ・フォーマットで発表していた存在で、ダンス・ミュージックに限らない音楽性と制作面の幅が、本作にもにじみ出ている。ソロとして2枚目となる「Gravrosens Bortgomda Band」に収録されたトラックはどれも、前作に引き続きライブ演奏による一発録りによるものだ。 EPのプロローグとなるノンビート・トラック"Lossning I Dimma, Kallholmen 04.53"では、TB303のレゾナンスに加える変化が、ディレイ・エフェクトを通じて波紋を描いている。ソファに深く腰掛けて聞いたら、そのまま体が沈みこんでいきそうな感覚とでも言えるだろうか。意識を沈めた後に流れてくるのは、水面をきらめいているかのようなサウンドだ。柔らかなパッドに包まれていきながら、既にトラックが"Västra Skogen"に変わっていることに気が付く。タムがフェイド・インしてくるにしたがって、リスナーの意識をリズムに誘導しながら、キックやハットなどのドラムマシンのサウンドを徐々に重ね合わせ、徐々に高揚感を煽っていく展開や、前述のTB303が再びブレイクで用いられている構成には、ライブ演奏らしさが感じられる。アクセントが徐々に変化していくベース・リフが特徴的な"Stupagreve Homuth"は、ハイハットを巧みに刻むことによって本作で最も疾走感のあるトラックになっており、303サウンドにフィルター・エンベロープで手を加えることによって、リズムに面白い動きをつけている。303のサウンドが中心的な役割を担っているのが"Norrlandsbrigad 69R"だ。キックとスネアと共にグルーヴを形作りながら、時折、小刻みにモジュレーションがかけられているアレンジには、ニヤリとしたくなる。いずれのトラックにも、アンビエンスの変化を活かしたヒプノティックなサイケデリック性があり、Semanticaのレーベルカラーとしっかり調和した仕上がりになっている。
  • Tracklist
      A1. Lossning I Dimma, Kallholmen 04.53 A2. Västra Skogen B1. Stupagreve Homuth B2. Norrlandsbrigad 69R