Move D - fabric 74

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  • Move DことDavid Moufangの音楽やステージ上での立ち振る舞いを見たことがないなら、彼をフィーチャーしたRA Exchange(英語サイト)でもいい。彼の活動を知っているなら、David Moufangは非常にリラックスした男というイメージなのではないだろうか。その日暮らし的な哲学や気さくな態度の彼は、有名なミックスCDシリーズを急いで仕上げてほしいと頼まれたからといって、慌てふためいたりはしなそうだ。「ミックスCDの話が来たとき、ミックスを依頼していた別のアーティストの話が最後の最後でキャンセルになったことを伝えられたんだ」。彼はDJ Broadcast(英語サイト)にてこのように語っている。「制作する時間をほとんど与えられなかったよ」。しかし、このことが逆に良い結果をもたらしたと言えるかもしれない。『fabric 74』はスカッとするほど気楽で即興性に富んでいて、Move Dの音楽性にとても合った感覚がある。 心地よい15のハウス・トラックをつなぎ合わせた『fabric 74』には世界中のクラブやフェスティバルでMougangが人気を集めているのも納得のサウンドがしっかりと収められている。メロウなコードに太いキックをミックスの中心に据え、天気のいい野外フェスティバルにいるかのような気分にさせてくれる。Juju & Jordash、Christopher Rau、Smallpeopleといったアーティストによる新しめのトラックと濃ゆめのハウス・クラシックスとのバランスが良い。例えを挙げるなら、Roy Davis Jr."Unda Tha Sun" を1曲目にもってくるところは流石だし、Liberty City "Some Lovin"はMoufangのレコード・バッグには常に入っているんじゃないかと思うほど素敵なトラックだ。チープだけれど、ガヤガヤしていて楽しくなるUKハウス・トラックを土台に2013年のタイトルで最もぶっといベースラインを組み合わせたLast Magpie "Roots"のようなキラー・トラックを用いることで、所々ミックスに盛り上がりを作りながら、作品を通じてテンションをしっかりと維持している。 『fabric 74』には多くの要素が含まれている。巧みな選曲構成かつアップビート、そして非の打ち所のない音源が満載だ。FreerotationでのMoufangのプレイがベースになっているのかと思っていたが、しかし実際は、もっと従来型のミックスCDとなっている。Move Dは"ココ"という状況であれば、冒険的になって個性を剥き出しにすることがある。昨年のFreerotationの場合であれば、Al Green "Love And Happiness"、Aphex Twin "Xtal"、"All Along The Watchtower"のRaykoエディットといった最高の変化球をセットに織り混ぜたりもするのだ。『fabric 74』では、個性的な要素がそのレベルに達しておらず、聞いていて楽しいものの、鳥肌が立つようなものではない。なによりこんなふうに冷めた物言いになるのはやはり面白くない。
  • Tracklist
      01. Roy Davis Jr. - Under Tha Sun 02. Liz Torres - Your Love is All I Need (Dub Mix) 03. Liberty City - Some Lovin’ 04. M.ono - Holding Back California 05. Jamie Trench & Angus Jefford - Bringin’ Tha Heat 06. Earl Jeffers - The Goose 07. Darkman - Annihilating Rhythm (The Destruction Mix) 08. MD III - Shake That Body (K-Alexi Dubs You The Right Way Mix) 09. Dom 877 - Do It Right 10. Juju & Jordash - Loosey Goosey 11. Christo - New Jazzno 12. Last Magpie - Roots 13. Move D / D-Man - Luvbyrds 14. Willow - Feel Me 15. Smallpeople & Rau - Unke