Archie Pelago - Hall Of Human Origins

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  • コンセプチュアルな作品「Bangers & Ash」シリーズのリリースにより評価を獲得してきたStyles Upon Styles。カットナンバーをSUSと改めた本作には、卓越したサックスとチェロが圧倒的なArchie Pelagoによる5つの曲を収録。喧騒なブルックリンのシーンにおける最も面白いグループの1つだ。どこか奇妙でありつつも、イメージが出来上がりつつあるStyles Upon Stylesの音楽性にしっかりと沿っているEPがこのトリオから届けられた。 ハウスミュージックにライブ演奏を取り入れることは常にリスクを孕んでいる。Archie Pelaoはこの点で時として良い結果を得られないことがあるが、彼らはリリース毎に生楽器をシンセ音にのせ、上手い具合に融合させるようになってきているようだ。例えば、"Chronomancer"での可愛らしいリズム。その背後で、チェロによって暖かな空気の流れが作られている。しかし、静寂が訪れる場面でのサックスは若干、協調性に欠けている印象だ。"Joyce Drop"ではこの点が改善され、ビートの合間で鳴らされるホーンセクションのメロディが大胆かつ特徴的なアクセントを作り上げているが、そこにやり過ぎ感はない。一風変わった構成を嗜好する彼らならではの場面を見ることも出来る。曲の途中でビートが不意に転調するあたりは彼らが好むトリックの1つだ。 "I Know About Robert's World"では崩したリズムが作る騒がしい世界が広がり、ブリープ音によるメロディが早送りしたテープのように宙を舞う。ここでは電子音の要素と上手くバランスを取るかのようにしっかりと地に足が着いたチェロとサックスの演奏を聞くことが出来る。彼らのサウンドがブレンダーにかけられ一体となったタイトルトラックには、揺れ動くリズムが作り上げる土着的な異世界が広がっており、生楽器が再び裏方の役目を果たしている。厳しいリスナーにとっては、彼らのスムーズな質感はイージーリスニングBGMをごちゃごちゃにまとめたように見えるかもしれない。しかし「Hall Of Human Origins」では彼らがこの手のサウンドにおける基準に見合う存在になってきていることが分かるはずだ。
  • Tracklist
      A1 Chronomancer A2 Joyce Drop A3 Wrong Apartment (Worms) B1 I Know About Robert's World B2 Hall Of Human Origins