Sven Weisemann - Inner Motions

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  • 2011年、Sven WeisemannがDesolate名義の下リリースしたアルバム『The Invisible Insurrection』に対しTodd L. Burnsは「ベストアルバムの1つ、決してBurialが作ることのなかったアルバム」だと説明している。その音楽観はWilliam Bevan(Burial)による写実的で静的なサウンドに非常に類似している。しかしBurialが本能的にダークな側面を見つめているのに対し、Weisemannは、たとえものすごく機嫌が悪いときでも、のんびりと窓の外を眺めているだろう。今回、本名名義で発表される彼の最新LPはより明るい調子でしっかりと構築された枠組の中で制作されているものの、Desolateでの活動をさらに発展させた印象だ。 もしもDJセットを通じて以外にWeisemannを体験したことがないなら『Inner Motions』でのゆったりとしたペースはちょっとしたショックを与えるかもしれない。しかしながら、リラックスした雰囲気で知られるEssaysなどのレーベルから彼がリリースした最近の作品をチェックしている人にとっては、ブンブン鳴らされるキックや激しく打ちつけられるハイハットではなく、エレクトロニックなアプローチによる長閑さの中で本作が作り上げられていることは決して驚くことではないだろう。序盤に収録された"Spectra"はアルバムにおけるベストトラック筆頭だ。"Evolver"では洗い流すようなシンセの波と重低音が持つ勢いが非常に繊細にバランスで成り立っており、注視し過ぎると、そのバランスは崩壊してしまいそうなほどだ。これほどまでに心に訴えかけてくる感情を果敢に自身のレコードに注入していることこそ、Weismannの才能だと言える。例えば"Planetary Nebula"での最後の数分は心が張り裂けそうになるだろう。 『Inner Motions』では空間、より具体的に言えばリバーヴが重要な役割を果たしている。最も使用頻度の高いエフェクトであるからこそ、使い方を誤ると、時としてどろどろと淀んだ空気感になり、作品の繊細さを台無しにしてしまう可能性があるが、Weisemannのハット使いは決して切れ味が鈍くなることはなく、深く鬱蒼とした世界に煙が立ち昇る中を踊るホタルのようにはためいている。 『Inner Motions』では彼のアーティストとしての視点に適ったプロデューサー手腕が発揮されている。本作は全くあくせくしている感覚が無く、かと言ってのんびりし過ぎて怠惰になることも無い。必要十分な時間がかけられた全サウンドがしっかりと機能している。ただ地味な作品として終わることなく本作を仕上げているのはダブテクノにおける美しくユニークな表現手法だ。
  • Tracklist
      01. Inner Motion (Initium) 02. D-Psalm 03. Spectra 04. Ridis (Embolium I) 05. Killiny Beach 06. Rejection 07. Plectra Sub (Embolium II) 08. Tikuma 09. Evolver 10. Planetary Nebula 11. Floatation Verb 12. Inner Sunset (Finis)
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