Lawrence - Film & Windows

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  • 数え切れない程のEPと5枚のアルバムを通じて、Lawrenceはメロディアスで落ち着いたサウンドに焦点をあててきた。そのサウンドは疲れた心を癒す音響セラピーとして処方されてきたと言えるかもしれない。単なるディープハウスではなく、このドイツ人プロデューサーによる音楽はゆったりと自由に流れる静かな雰囲気に溢れている。それゆえに『Film & Windows』の内容も決して驚きではない。11のトラックそれぞれは、まるで音によるラヴァランプのようだ。溶け出しては心地よく融合し、いつまでも惹きこまれる。 全体を通してのプロダクションは輪郭がおぼろげでうっとりとする催眠性があり、その音楽は始まり、途中、終わりを感じさせない。夢のような風景と共に重なりあう優雅なパッドシンセが地平線へとうっすらと消えていき、リスナーでさえも姿を消してしまいそうだ。しかし、決して行き過ぎではなく、本作の最初と最後はビートレスの曲で挿まれてはいるものの、Lawrenceは完全にアンビエント方向に行ってしまったわけではない。小刻みなキックドラムやハイハットが常に使用されており、夢心地で波のようなリズムに包み込む。シャッフルするリズムに何かを思い起こさせるような"Kurama"から、悲しげながらもアップリフティングな"Creator(Final Call)まで、ただただ美しい。 同時に『Films & Windows』は控えめの色と虚ろなネオンの残像をばら撒いたかのような色彩豊かなアルバムだ。全曲一貫して、ぼんやりとしたパターンが現れては時間をかけて展開していく。細かくも絶妙なグルーヴの上で、そのパターンは上品に漂いながら、いとも簡単に(良い意味で)眠気を誘うだろう。そして同様に、優しく肌をなでながらダンスへと誘うだろう。
  • Tracklist
      01. The Opening Scene 02. Marlen 03. In Patagonia 04. Films & Windows 05. Etoile Du Midi 06. Lucifer 07. Kurama 08. Angels At Night 09. Har Sinai 10. Creator (Final Call) 11. Teenage Barb