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WIRE13 15th Anniversary Special
Published
Sep 27, 2013
Words
Riku Sugimoto
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1999年以来、テクノをテーマに開催されてきた屋内フェスWIREが今年も横浜アリーナにて開催された。開場の10分ほど前に新横浜駅へと到着し、会場へと急ぎ歩いていくと、近づくにつれてWIREグッズを身につけた人が増えていくのがわかる。どのフェスやイベントでもそうだが、共通の目的を持った人々が続々と集結する光景は、何時でもわくわくするものだ。開場とともに一目散にメインフロアへ向かう流れに巻き込まれていくと、広大なアリーナに響く無機質なW、I、R、Eの音声とともに、DJ SODEYAMAによるオープニングDJが始まった。重く響く低域のグルーヴを軸に、細やかで煌めくようなSEによる幽玄な演出で早速オーディエンスを魅了した。ミニマルなトラックの効果的なエフェクター使いで展開を作っていく。WIREのオープニングアクトという大役ながら、自らのスタイルを貫き通したプレイであった。セカンドフロアのオープニングアクトは仙台を拠点に世界規模の活躍を見せるTakaaki Itoh。テクノらしいストレートで力強いリズムに、最小限の上音が乗る、一音一音を深く響かせるようなDJであった。昨年まではVJはフロア右側の壁面に映し出されていたが、今回はDJブースの後方に変更となり、HEART BOMBとKRAKによるハイクオリティな映像を堪能することが出来た。メインフロアでは、WIREでは14年ぶりとなるMijk Van Dijkのライブが始まっていた。ストイックな印象のトラックを鳴らしつつ、身振り手振りやマイクパフォーマンス、メロディアスなブレイクで常に観衆にアプローチ。ゲストボーカルとして登場した本田みちよ、Kaoriのパワフルで美しい歌声も印象的な、メインフロアにピッタリのアクトであった。再びセカンドフロアではアムスのテクノシーンの重鎮Bart skilsがDJを行っていた。ソリッドな出音と、ハードな感触とファンキーさがバランス良く組み合わさった選曲でじっくりとフロアを盛り上げていた。
Photo credit: Masanori Naruse
今年のスペシャルアクトを間近で観ようとメインフロア前方へ向かうと、Giorgio MoroderとChris Coxが登場。Donna Summerの“I Feel Love”、“Hot Stuff”やLimarl“Never Ending Story”など、70〜80年代を彩った名曲の数々をより現代的なダンストラックとしてアレンジして披露してくれた。ChrisはミキサーをコントロールしながらGiorgioをサポート。GiorgioはNovationのコントローラーを操作し、独特のタイミングでリズムやSEを鳴らしつつ、ユーモラスな手振りで観衆を煽っていた。途中Giorgioがボコーダーで歌い、Chrisがリズムを叩くセッション的な場面も。Giorgioが様々なシンガーへと提供した楽曲がセットの大半を占めており、多くのオーディエンスが口ずさみながら踊る、アリーナ全体に一体感をもたらすライブであった。興奮冷めやらぬ会場におなじみのWIREボイスとともに現れたのはTakkyu Ishino。この日は氏の十八番であるアシッド、声ネタ、ディスコネタが満載の、ずば抜けた安定感と勢いを持ったセット。エフェクトのタイミングから音の抜き差しの精度に至るまで、脅威の完成度を誇るプレイで多くの観客を休ませることなく踊らせる。WIREメインフロア、またTakkyuのパーティーSTERNEのVJを担当しているDEVICEGIRLSも、この時間帯はとびきりスペシャルな演出を行っていると感じた。ラストもWIREボイスで締めくくり、今年も最高潮の瞬間をもたらしてくれた。
Photo credit: Masanori Naruse
少々の間をおいてメインステージにHellが登場。緩やかなテンポで、徐々に独自のダークな世界観に人々を引き込んでいく。ややオールドスクールなサウンドながらストーリーを紡ぐようなミックスで、ボーカルやニューウェイブ的なフレーズを効果的に使用しつつ、他とは一線を画すディープな空間を作り上げていた。数時間ぶりにセカンドフロアへと戻ると、2000 and OneがハイテンションなDJを展開していた。100% Pure、Remote Area、Intactoなどのファンキーテックハウスのレーベルを複数取り仕切る辣腕だが、DJでもそのセンスをいかんなく発揮。同郷のBart Skilsとも共通する跳ねたグルーヴと、派手めのブレイクを多用しつつも勢いにムラが出ない安定感。後半戦が始まってもまだまだ前のめりで踊らせてくれるセットであった。メキシコを拠点とするRevolledoと、Kompaktを代表するアーティストであるSuperpitcherのユニットPachanga Boysは、テクノを軸にロックやディスコなどの要素が独特のバランスで溶け込む、他にない質感を持ったDJ。シーンの中でも独特の立ち位置を持つ、二人の奇特なセンスがぶつかり合うようなB2Bであった。Rebolledoはレコードを叩いてパーカッシブなノイズを鳴らすなど、終止ユニークなプレイスタイルで楽しませてくれた。
Photo credit: Kazuhiro Kitaoka
セカンドフロアのラストを飾るのは恒例となった感があるFumiya Tanaka。限界まで研ぎ澄まされた濃密なグルーヴに、ヒプノティックな感触のフレーズがわずかに浮かびあがる。数曲で流れを作り出してからは、観衆は飲み込まれるように音に没頭していくのが感じられた。今年に限ったことではないが、この時間帯の、踊りきって終わろうという気概を感じさせるフロアには、前半以上の熱気がこもっている。それに応えるように、Fumiya Tanakaは幅広いスタイルの中でもひときわダンサブルな感触のセットを披露してくれた。今年もメインフロアのラストを見届けようと急ぎ向かうと、Cocoonの首領Sven Vathによる流麗なトラックによってフィナーレを迎える瞬間であった。こちらのフロアでもスタートから半日経ったとは思えない熱量と、パーティーへの満足感がアリーナの特大規模で感じることができた。 15周年と銘打ってはいたものの、過去のWIREポスターが飾られたラウンジスペースが新設された程度で、設備面はここ数年のWIREと変わらないものであった。しかしそれは、WIREが常にスペシャルであることを示していると思うし、各アクトの名演や会場にあふれる活気を体験した人々であれば今年も特別な一夜であったことに異論は無いはずだ。それを示すように、来場した人の数も、開始して一時間ほどでメインの半分が埋まってからはラストまでそれを下回ることはなかったように見えた。15年の試行錯誤の中で、廃止した企画、縮小した部分はあるが、個人的に遊ばせてもらったこの数年感でクオリティが下がったと感じたことは無く、それは常に核となるメインコンテンツ、アーティストや音響、会場の整備などに妥協がなかった実績の現れであると思う。各々音の好みはあると思うが、それでもWIRE特有のムードの中で、普段なら観る機会が無かったり、機会があってもなかなか楽しめないアクトでも遊ぶことが出来てしまう、やはり一種のお祭り感覚が強くある。観客のみでなく、今年は心なしかどの出演者もとびきり自分の出番を楽しんでいたように感じられた。
Photo credit: Masanori Naruse
決して今旬のアーティストが出るイベントではないが、主宰の石野卓球が述べていたように、流行を意識しなかったことはWIREがここまで続いた理由の一つでもある。そして、今に至っては流行に頼らずとも多くの層にアプローチできる力が備わっていると改めて感じた。SvenやHellといった90年代から活躍するベテラン揃いのラインナップだったこともあってか、WIREが始まる以前からテクノを聴いてきたであろう40、50代とおぼしき来場者を見かけることもあれば、Giorgio Moroderのライブの際、フロアの前方でお祭り騒ぎの盛り上がりを見せていたのは、Giorgioの全盛期には生まれてすらいなかったであろう多くの若者たちであった。メインフロアの終了後、例年VJ用モニターに“See you next year!”と映し出されるのが恒例となっているが、今年は“Thank you 15th Anniversary”の文字が映され、来年はどうなる?と勘ぐってしまう観客も少なくなかったようだった。それも言い換えれば、多くの人が次のWIREを既に期待しているということだ。テクノオンリーというアンダーグラウンド性と大型フェスの高揚感を両立させた唯一無二のパーティー、やはりWIREの王座は当分揺るがされることはなさそうだ。
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