Mr. G - Retrospective

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  • Colin McBeanという男が創り出すサウンドはここ15年のあいだほぼ変わっていないが、その事実こそ何よりも偉大なものとして評価されるべきだ。彼はまったくよそ見をせずに自身のハードでダスティなハウスというスタイルを貫いてきたが、それゆえに「時代遅れ」として扱われてしまう時期もあった。実際、Âmeによる流麗でシネマティックな"Rej"を彼が聴いた際、自分は音楽など辞めてしまったほうがいいのではないかと感じたこともあったそうだ。しかし、それでも彼は自分自身のやり方を貫いてきた。前作アルバムでの大きなインスパイア源となった彼の親友Lev Van Delden(癌により死去した)に関連してMcBean自身が語ったところによると、彼のレコードたちはみな、彼のパーソナルな生活体験を切り取ったチャンネルのようなものであるそうだ。このことからは、彼のトラックがきわめて機能的なクラブ・トラックである一方で非常に親しみやすく人間臭いものであるという事実に対する理由が隠されている気がしてならない。 最近RAのMachine Loveに登場したMcBeanは、そのプロダクション・キャリアを「ねじれたハウスの旅。ベース・ヘヴィでねじれた旅さ」と語っていたが、この『Retrospective』には彼のこれまで辿ってきた旅路が克明に記されている。この2枚組パッケージには1999年から2007年のあいだに彼が発表してきたトラック群を中心に、いくつかのアンリリース・トラックが詰め込まれている。これらのプロダクションはもともと複数のレーベル(主に彼自身のPhoenix G)から発表されたものであり、その中にはHalcyon Daze、Mango BoyそしてThe Reaverといった別名義で発表された作品もいくつか含まれている。このアルバムの編集とリリースを手掛けているのはRekidsだが、このレーベルほどその仕事に相応しい存在はないだろう。McBeanとRekidsのレーベル・ボスMatt Edwardsは長年の友人であり、互いの作品を深く認め合う仲だ。結果として、このアルバムは両者の睦まじさを感じさせるコンピレーションとなっており、若き日のMcBeanの姿が克明に浮かび上がるかのようである。 McBeanの初期のカタログをあらためて聴くと、そのほとんどからは素晴らしい円熟味が感じられる。これらのトラックは今日クラブでかかっても何ら遜色無いものだし、そうしたトラックが21曲も詰め込まれたこのコレクションはどんなハウス/テクノDJにとっても強力な武器となるはずだ。その幅広さも特筆すべきで、"My Father's Farda (Mr G's Soundboyz Dub)"といったディスコ風味のキラー・トラックもあれば、"Going Home"や"Song For My Cantor"のような心地よいディープ・ハウスもあり、さらには"Potion"(アンリリースド)や"Danger"といったタフなテクノ・トラックもある。最も重要な事実は、グルーヴというものに対するMcBeanの嗅覚は今も昔も変わらず強烈なものであるということだ。彼はビーツをリニアでぐいぐいと引っ張り、いとも簡単にファンキーなものに仕立て上げてみせる。彼はすでにキャリア後期に差し掛かっていると言っても過言ではないと思うが、そのカルト的な存在感はかつてないほど高まっている。この『Retrospective』を耳にすれば、その理由を探るのは決して難しいことではない。
  • Tracklist
      01. Eye Poke 02. Lights (G's Out Dub) 03. Hear Me Out 04. Pepsi 05. My Father's Farda (Mr G's Soundboy Dubz) 06. I'm Dirty 07. Did You Know 08. Jet Black 09. Shelter (Unreleased Version) 10. Going Home 11. Song For My Cantor 12. The Day After B 13. Moments 14. Side Winder 15. G's Strings 16. Magic Potion 17. Live And Let Live? 18. Mmmm 19. Gladesmen 20. Potion (Unreleased) 21. Danger (Glyph Theme)
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