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Mystics
Published
Aug 29, 2013
Words
Riku Sugimoto
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大規模な野外フェスが一通り出そろった昨今、より実験的で自由なコンセプトを持った中小規模の野外パーティーも続々と現れ始めている。7/20から7/21にかけて、静岡のハートランド朝霧で開催されたMysticsもその一つだ。国内を拠点にしながらも世界規模の実力を持つアーティストが各地から集結、それぞれ独自のサウンドを富士の山中に響き渡らせた。 会場のハートランド朝霧は広々とした牧草地で、Mysticsのみならずさまざまな音楽イベントで使用されている。朝霧高原というだけあって夜更けから日が昇るまで常に霧がかかっており、このパーティーの幻想的なムードを引き立てていた。また、平日は牧場として営業しているため、会場の少し向こうには牛や馬たちの姿もあり、向日葵があしらわれた麦わら帽をかぶったハートランド朝霧の「監督」の豪放磊落ぶりや、DIY精神むき出しな装いの施設も相まって、日常とかけ離れた、パーティー名どおりの不可思議な世界を堪能することができた。
Photo credit: Mystics Official
20日の夜更け頃に会場に到着し、キャンプの準備の合間をぬって会場内を見て回ると、ロッジ内では、都内で精力的に活動する20代前半の若きパーティークルーDAYTONA TeamがDJを開始していた。Lamb、Fukihara、AKO、Keigo Kodaの四人による多彩な選曲は、ディープハウス、テクノを基調とした低音重視の緩やかな時間からフレーズの展開でフロアを引っ張る展開まで、やや性急ながらさまざまな要素が凝縮されていた。続いて夜が明けるまでの4時間をDJ Pi-geとSatoshi Otsukiが担当。B2Bとロングプレイのコツを心得た、ベテラン二人による安定感のあるサウンド。Satoshi Otsukiの低いビートのテクノで下地を作り、Pi-geがストレンジなトラックで彩りをつけながら来場したダンサー達を飽きさせない流れをキープした。ラストはUR屈指の名曲“Jupiter Jazz”をプレイ。霧の向こう側に朝陽とともに浮かび上がる富士山とともに、神秘的な空間を演出してくれた。
Photo credit: Mystics Official
少々のセットチェンジの時間を経て、朝のメインステージが再開。トップバッターのHirotaka Miyamotoはダウンテンポ、ブロークンビーツ的なトラックから4つ打ちまで、多才なサウンドを往復するDJを披露。プログレッシブな感覚も併せ持った、独自の感性が光る選曲だった。次は満を持してHideki MatsutakeによるプロジェクトLogic Systemが登場。氏の象徴とも言えるMoogのモジュラーシンセこそなかったものの、Rolandの近年の名機GAIA、Jupiter-80を駆使した演奏は、アナログシンセのシミュレーションを凌駕する生々しいサウンド。DJ Harveyも評価したコズミックディスコの名曲からロックナンバーのアレンジまで、まるで一枚のアルバムを聴かせるような演目で、特に後半披露されたYMOのカヴァーは、フレーズから音色まで流石の再現度。シンセサイザーの歴史と最先端を繋ぐ素晴らしいライブアクトであった。続くMirugaは、ダブハウスの要素も感じられる、風景とマッチするような深みのあるパッドシンセとメロディが印象的なライブセット。緩やかなテンポのリズムも相まって、リラックスしながら音に体を委ねることができた。KABUTOは思わず踊りだしてしまうようなBPMのビートと、パーティーの流れを汲んだ中高域のフレーズでストーリーを造り出す、あらゆる要素が高揚感をもたらしていくようなDJ。一曲一曲が醸し出すムードをしっかりと繋ぎ、前後のアクトの橋渡しを勤めつつ自らの持ち味も存分に発揮していた。パーティーのラストは、HIROSHI WATANABEが日本の最初期のテクノレーベルFrogman Recordsからのリリースで知られるQuadra名義で登場。とはいえ近年の氏のスタイルからぶれることの無い、エモーショナルでドラマ性のあるライブを披露。独特の、煌めくようなシンセフレーズは、屋外で聴くことでより効果を増しているように感じた。フロア、ロケーション、サウンドの全てが相乗効果を生み出す、クライマックスを飾るにふさわしいセットを披露してくれた。
Photo credit: Mystics Official
Funktion-Oneスピーカーで組まれた屋外ステージのサウンドシステムは、やや広めにセッティングされ、キャンプ場全域に音が届くようになっていた。その分、テントで音を楽しむ人が多かったため、入場者の人数に比べてフロアがやや寂しく思える瞬間があったのも事実だ。パーティーの主軸であるラインナップからは、ネームバリューを重視したものではなく、あくまでイベントの方向性、趣向が強く感じられた。イベント前半の出演者にも注目のアクトが目白押しで、DubleeやShohei Takataのライブ、DJ Nobuのテクノセットなど、早めに入場できなかったことが悔やまれるラインナップであった。これだけ個性ある面子を揃えると、重要になるのがタイムテーブルだが、当日の流れは、通してひたすら踊るというより一人一人のアーティストを聴きこむという感じで、ゆったりと遊ぶには適していた。派手さやキャッチーな要素に頼らずとも、際立った個性が感じられたMystics。テクノ、ハウスを軸とした日本のエレクトロニックミュージックの多様な表現を、富士山の麓の幽玄なムードとともに味わうことができただけでも、このパーティーに行く価値はあったと思う。
Photo credit: Mystics Official
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