Itinerant Dubs - Itinerant Magic

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  • ロンドン屈指、老舗ワールドミュージックのレコード店にしてこの数年間、ジャンル越境型のタイトルを数多くリリースしてきたHonest Jon'sが流通を手がけるItinerant Dub。リリースインフォ上ではベルリンとロンドン、拠点とする土地が異なるプロデューサー2人ということしか明かされていない、謎に包まれた新プロジェクトだ。収録の3曲を通してハイハット、シンバル、スネア、クラップといったドラムマシン音源をディストーションで潰したような荒い質感により、目下のキーワードとなっているRaw (未加工、生) を演出した上で、それぞれ異なるアプローチを持って楽曲を成立させている。この感覚は近年Kowtonが見せている音に通ずるものがある。もっとも本プロジェクトでは、そこに深くダブワイズを施した新たな領域を開拓しており、既存の楽曲と同系列で語ることには語弊があるだろう。 本作で表現されている刺激的な質感を更に面白いものにしているのが、リズム隊のアレンジメントだ。Dance Maniaなどシカゴハウスを代表する音が持つ粗野な感覚を想起させる未加工のドラムマシンの力強さをUKガラージやエレクトロからの影響を漂わせるリズム構造へと落とし込み、グライムとも一味違う、これまでにない、しかし、しっかりとダンスミュージックとして機能する音楽を提示しており、Honest Jon'sが関わるのも合点がいく。ダンスミュージックの停滞期を迎えることを否定するかのようなこうした挑戦的な音楽がリリースされることは非常に喜ばしい。ジャンルを越えて広く聞かれて欲しい1枚だ。
  • Tracklist
      A1 Itinerant Magic B1 Jack The Dub B2 Monkey
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