- Clone Jack For Dazeはその名が示す通りの(シカゴハウスへの憧憬とリスペクトを根底とした)レーベルだが、それにしても今回のRoman Flügelによる12インチほどこのレーベルの特色をこれほど如実に示した作品はなかったのではないだろうか。Flügelによるオリジナルが2トラック、Serge & Tyrellによるリミックスを3ヴァージョン収録したこれら計5トラックはどんなピークタイムにもフィットするだろうし、フロアーにいるダンサーたちに息をつかせる暇さえもほとんど与えないだろう。
Flügelによるオリジナル2ヴァージョンには共に彼らしい隙間を活かしたレイアウトとメロディの展開が息づいており、"Even More"ではその表面に刻み付けるようにギターがかき乱れ、そこに金属音とカウベルが降り注いでいく。"More&More&More"はグルーヴそのものが非常に研ぎすまされており、ぐっと重心を下げたベースラインとハイハットを対比させ見事に空間から浮かび上がらせている。Serge & Tyrellによるリミックス3ヴァージョンはひとつのテーマに基づいたヴァリエーションを展開していて、ぶっきらぼうなテクノらしい枠組みを軸に異なるヴォーカルや定規を机の端で弾いているようなチープさを持ったメロディを絡めている。そのなかでは"SBF325 Mix"が最もパワフルな仕上がりで、ワイルドなチャントとサイレンのようなブリープで熱狂的なピークへと持ち込んでいく。
TracklistA Even More
B More&More&More
A More&More&More (Serge & Tyrell SBF325)
B1 More&More&More (Serge & Tyrell's Work That Mix)
B2 More&More&More (Serge & Tyrell Instrumental)