Pinch & Roska - Shoulda Rolla

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  • 表面的には、PinchとRoskaの両者は互いにコラボレーションする相手としては考えにくい。前者はブリストルをベースに活動する恐怖感に満ちた140BPMミュージックの支持者であり、方や後者はUKファンキーに色彩鮮やかなブロークン・ハウスを持ち込んだ第一人者である。だが少なくとも、2011年に彼らが共作した"Paranormal Activity"は両者の持ち味が驚くほど(比較的分かりやすい形で)共存していたし、虚空の深淵で鳴り響くかのようなサブベースの上でRoskaの特徴的なスネアの連打が彷徨っていた。 前回のコラボと同じトリックを繰り返す代わりに、今回の"Shoulda Rolla"はよりディープでムーディな仕上がりになっており、溶鉱炉から放たれたかのようなサブベースが疎らで生っぽいドラム打ちとチャイムと共に引き摺られ、そのぎりぎりでコントロールされているかのようなグルーヴは初期のShackletonを彷彿とさせる。彼らは非常に巧みにお互いのマテリアルの妥協点を見出しており、それぞれのサウンドがどちらのアイデアによって持ち込まれたのかほとんど判別できないほどだ。だが、それは同時に彼らそれぞれが持っている特質を隠してしまうという面もあり、確かなヘヴィーさを持ったトラックである反面、そつがなくやや物足りないという印象も否めない。 いっぽう、Roscaによるソロ・トラック"Asbestos"は素晴らしいとしか言い様がない。彼が2008年にリリースしていた一連のUKファンキーのトラック群はいまなお強烈な存在感を保っているが、このトラックもその剥き出し感という点では傑出しており、なおかつこれまでにないほど悪辣なムードを秘めた仕上がりになっている。稲妻のようなスネアがファットなサブベースの表面をなぞり、ハウスと言うよりはダブステップに近いテンポで泡立つような不和をにじませながら彼らしい性急なメロディが浸食していく。いつもの彼の作品で特徴的な"ROSKA!"というヴォーカル・アイデントは今回違う形で埋め込まれており、蛇がシーッと音を立てるかのようなヴォイスに置き換えられている。
  • Tracklist
      A Pinch & Roska - Shoulda Rolla B Roska - Asbestos