Tessela - Hackney Parrot

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  • "Hackney Parrot"のドラムブレイクには聴き手を満足させる本質的な何かが潜んでいる。クリスピーなサウンドもその理由のひとつだろうし、またそこはかとなく漂うレイヴ・ルーツもそうだ。もしくは、もっと単純にそのサウンドの比類の無いヘヴィーさかもしれない。Kathy Brownの不機嫌なサンプルとサブウーハーを焦がさんばかりの性急さは冒頭から全開で、その反抗的なムードはとにかく素晴らしい。かつてのハードコアがそうであったように、このトラックもまたシカゴハウスの見落とされ続けてきたある側面を引き継いでいる。それは、まさに溢れ出るアドレナリンだ。 "Helter Skelter"には前述の"Hackney Parrot"ほどの強烈なフックこそないが、グルーヴの強烈さと言う点では決して負けていない。錆び付いた軋みはまるでヴィンテージなヒップホップさながらだが、ひとたびリヴァースされたフーヴァー・シンセが鳴りだすと我々の脳裏にはTesselaらしいレイヴ・ルーツという血の濃さが印象づけられる。レイヴ全盛期のトラック群がそうであったように、このEPの魅力はその堂々とした唯我独尊ぶりにある。ヘヴィーなダンスミュージックが時代遅れとされる昨今にあってもこのストレートなテクノ・ビートは強烈で、このEPはまるで隕石が衝突するかのようにシーンへ風穴を開ける。
  • Tracklist
      A Hackney Parrot B Helter Skelter
RA