FaltyDL - Straight And Arrow

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  • NYCのFaltyDLは'00年代後半におけるあらゆるダンスミュージックが混じり合う騒乱の中から這い出てきたアーティストだ。これまでにも彼は過去のアルバムにおいてそうした多面的な作品を手掛けてきたが、3枚目のアルバムにあたる『Hardcourage』ではそのトランス・ジャンル的な錬金術はさらに先進的なものとなっている模様だ。そのアルバムからのリード・シングルにあたるこの「Straight & Arrow」は彼のアウトプットにしては間違いなく分かりやすい類のものであると言え、とりわけ3分半の"radio edit"などはこのリリースが所謂アンダーグラウンドではないところへと目が向いていることを示唆している。「the Endeavor EP」において彼は豊かなスローモー・ハウスの枠組みを援用していたし、その屈折したヴォーカルの一連のメロディはゆったりとシャッフルされ、硬質で精密なスネア・ワークやレイジーなクラップ、シェイカーのループに支えられている。たしかにタイトに抑制されたトラックではあるが、オープニングで畳み掛けるようなFloating Points的メロディはどこか我々をやるせない境地に放り出すかのようで、何か物足りない印象もあるのも確かだ。 リミキサーの秀逸な人選がこうした物足りなさをカバーしているといったところか。Four Tetはオリジナルの構成を一部活かしつつも、それを7分間に引き伸ばして緊張と弛緩を落とし込んでいる。前半では彼のキャリア初期を彷彿とさせ、ソース・マテリアルから心の琴線を震わせるかのような斬新さを引き出してみせている。やがて中盤では痛烈なシンセ・ループに取り囲まれる。実に気の利いたトリックではあるが、ここ最近彼が手掛けているリミックスワークに比較するとやや鮮烈さには欠けるかもしれない。いっぽう、Gold Pandaはおなじみのキラキラとしたリワークを聴かせる。繊細に振りまかれたベルのような音色は心地よいが、ピッチを落としたヴォーカル・サンプルはそうでもない。そのインスピレーションが持続するのはせいぜい1、2分といったところだ。NYのBallroom代表、Mike QとそのコラボレーターDivoli S'Vereはそんな中で気を吐いている。オリジナルのヴォーカル・サンプルを排し、パーカッシブなグルーヴで怒濤のムードを作り出したこのヴァージョンはFaltyのオリジナルにおける入念に練られたゴージャスさとは対極を成している。
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