Elektro Guzzi - Allegro

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  • 万が一まだ知らない人のために言っておくと、Elektro Guzziは一切のマシンやサンプル、ループなどを使うことなく音楽を作り上げる。そう、一切使わないのだ。彼らのバイオグラフィーによると、Macro Recordingsから作品をリリースする際には「幾度にもわたる確認メールのやりとりや個人的なミーティング、リハーサル・ビデオなどを経てその事実を証明した」そうだ。まあ、最初は猜疑的だったMacro Recordings側の心情ももっともなものだ。私にしても、このトリオが奏でる音楽が一切のマシンを使っていないとはにわかに信じがたい思いをしたことを思い出す。ともあれ、この3人の熟練したミュージシャンたちが如何にしてこれほどまでに(人間的なタッチを一切感じさせないほどに)反復的な10分以上にも及ぶグルーヴに到達できたのか、そして何が彼らをそこへ導いたのかという驚きはなんとも形容しがたいものがある。 その驚きに対する答えは興味深くユニークな音楽というかたちで明かされている。これまでの彼らの作品と同様、この「Allegro」でも彼らの姿勢に変わりはない。枯れた味わいの、上昇するコードに彩られた"Asteroid"はまるでRobag Wrhumeの諸作を思わせるサウンドで、奇妙でありながらも満足度は高い。"Fat Pony"にはどこかクラウトロック的なヴァイブが感じられ、タイトなArpシンセがかすかなベルや幽玄なエコーの周りを取り囲んでいる。これらのサウンドが、ほとんどドラムとギターのみで作られているというから驚きだ。"High Noon"ではドラムやギターの存在感が若干明らかになり、ヘヴィーでトライバルなビートが駆け抜け、間延びしたスリージーなギターが楔を打ち込む。最後に収録された"Jangu"での性急で渦を巻くようなグルーヴを聴いてすぐに思い出すのは、Ricardo Villalobosの奇妙なエスニックさだ。このエスニックさがどこに起因したものなのかは分からないが、そのワイルドで転がり回るような緊張感や濃密なドラムは筆舌に尽くしがたいほど中毒性が高い。人力だけでこれだけのグルーヴが出せるのならば、もはやマシンの存在意義はほとんど無に等しいのではないだろうか。
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