Jimpster - These Times

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  • 個人的にJamie OdellのJimpster名義での作品は好きなのだが、ここ最近彼が手掛けるリミックスはグロッシーなハウスにばかり傾いていて、どれも同じように聴こえてしまうきらいがあった。彼自身のレーベルであるFreerangeからの最新作はしかし、そうした傾向に対し華麗に終止符を打つ内容となっている。これまでにもOdellの作品に参加し、それ以外にもKirk DegiorgioのNovaMuteやPeacefrogでの作品に参加してきたシンガーのSimon Jinaduが再びこの作品に参加し、生楽器を重厚にフィーチャーし、ヴォーカルのハーモニーで埋め尽くされた"These Times"に代表されるように際立った作品に仕上がっている。しかし、この作品において真に存在感を示しているのはOdellによる精巧なメロディ感覚である。ガラスのような質感を持ち、驚くほど繊細な"These Times"のベルのようなシンセは整然と配置され、そこにギターや弾けるシンバル、Jinaduの心地よいヴォイスが滑り込んでいく。 ダブミックスではこのコンビネーションの美しさがさらに強調されており、2010年の"Alsace & Lorraine"にも匹敵する仕上がりだ。よりナスティでビッグルーム的なアプローチを見せる"Can't Stop Loving"も快い驚きを提供してくれる。もしこのトラックをディープハウス的にあてはめるなら、Instra:mentalのサウンドにも近いかもしれない。際立った密度で迫り、ループされたヴォーカルはスパイラル状のベースと絡んで重厚なキックがそこに風穴をあける。これまでのJimpsterにはなかったタイプのトラックであり、そのおかげでこのEPは非常に愉快な内容に仕上がっているのだ。