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WIRE 12
Published
Sep 18, 2012
Words
Riku Sugimoto
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今年も、日本唯一の屋内テクノフェスティバルWIREが、横浜アリーナにて開催された。14回目となる今回は、世界各国のテクノシーンを牽引してきた実力派が揃い、例年にも増して濃密な内容の一夜となった。その様子を紹介していこう。 オープンアクトはDJ Tasaka。一聴してわかるユニークなサンプル使いも交えつつ、テクノ、ハウスの今を捉えた力強いグルーヴを放っていた。幅広い観衆を短時間で引き込む手腕は、00年以来幾度となくオープンを務めてきただけあって、確かなものであった。続いてメインフロアで行われたDenki Grooveのライブは、イベントのコンセプトに合わせた、徹底したテクノセット。ピエール瀧も、この日はステージパフォーマンスに注力していた。特筆すべきは、自らが歌った素材すらサンプリングソースのように扱っていたという点だ。原曲の印象的なフレーズや、ユニークさを損なわないまま、強力なフロア対応のグルーヴとしてアレンジされていた。 開場前から多くの人々が詰めかけたセカンドフロアは、Y.Sunaharaのライブで開幕。近年のコンセプトを更に推し進めた、一切の装飾を排した鋭敏なエレクトロニックファンクを展開した。サウンドの質感をそのまま現したような映像と、砂原氏とサポートの久川大志による巧みなダブ処理で観衆を圧倒。ほとんどが未発表曲の、緊張感あふれるライブセットであったためか、ラストに演奏された”The Center of Gravity”の柔らかく美しいフレーズに、安堵感を覚えるほどだった。 21時以降は、WIREを主催するTakkyu IshinoのDJセット。エフェクトを使いこなし、色とりどりのグルーヴを繋げる独特のスタイルで、アリーナを大いに盛り上げた。WIREアンセムともいえるAlter Egoの”Rocker”を絶妙なタイミングで挟み、後半に見せたMinako Yoshidaの名曲”Town”のリエディットから、Robert Hoodの”Greatest Dancer”へと繋ぐ展開など、氏の真骨頂と存分に発揮したプレイを披露した。しばしの休憩ののち再びメインに向かうと、DJ Hellが登場。アシッドから流麗なハウストラック、そしてニューウェイブ風味な曲まで幅広くプレイ。一歩間違えれば時代遅れに感じるものすら、しっかりと流れの中で聴かせることができるのは、氏の豊富なキャリアとずば抜けたセンスゆえだろう。
Photo credit: Kazuhiro Kitaoka
セカンドフロアへと移動すると、A.Mochiのライブが行われていた。入り口へ近づくだけでも、逞しい音圧が感じられるほどの重厚なトラックを続々と繰り出していく。多くの観衆が詰めかけ、音に負けないほどの凄まじい熱気を発するフロアからは、近年のハードテクノ復興の気運を感じた。続いて登場したのは、メキシコを拠点に活動するRebolledo。ヨーロッパ諸国や、デトロイト・シカゴとも違う、聴き込めば聴き込むほど迷い込んでしまいそうな、陶酔感のあるテクノグルーヴを展開。時代やトレンドに左右されない独自の選曲も含め、新鮮な刺激を受けた。 ふたたび休憩に入りフードコートへ。日本のご当地フードのほか、タイ料理や韓国料理など、充実の品揃え。続いて2階のPioneerブースヘ足を運ぶと、新製品の試奏や、恒例となったくじびきのコーナーが今年も設置されていた。同フロアにはFrankMüller aka Beroshimaの新レーベルMad Musicianのブースもあり、iPadアプリLemur/Liineで、氏の提供した音源を操作して楽しむことが出来た。 セカンドフロアへと戻ると、Portableがライブを開始していた。IDMとアフリカンな要素を、最初期のシカゴハウスと混ぜ合わせたような独特のトラックと、危うげで艶のあるヴォーカルが武器のアーティストだ。ヴォーカルエフェクターやコントローラーを駆使した、立体的なリズムの折り重なりが、他にはない躍動感を生み出していた。セカンドのラストを務めたFumiya Tanakaは、キックやハットといった、楽曲の根幹部分を強調することで、パーツの微細な変化にも身体が反応してしまうような空間を創出。巧みにフロアの熱量を操るプレイで、朝方ながら、ひときわ熱中して踊ることができた。最後にメインフロアをのぞいてみると、Derrick Mayがラストスパートをかけていた。ファンキーなリズムを、EQやフィルターで過剰なまでに強調するDJスタイルは、胸を鷲掴みにされ、一瞬で彼の世界に引き込まれるかのよう。短時間ではあったが、それでもDerrick Mayらしさを強く感じられるプレイだった。
Photo credit: Masanori Naruse
今回、メインフロア内の装飾はステージ周りだけとなり、中央にライブステージ、左右にDJブースがあり、後部にはWIRE12のロゴをかたどったチューブ状のオブジェが圧倒的な存在感を放っていた。メインフロアは全体的にもう少し音圧があればとも思ったが、例年以上にハイレベルな、バランスの取れたサウンドが実現されていた。セカンドフロアはよりクラブ的な、力強い低音を響かせていた。また、DJ、ライブアーティストのみでなくVJ陣も素晴らしい活躍を見せてくれた。セカンドフロアを担当した、宇川直宏率いるDOMMUNE VIDEO SYNDICATE(UKAWA NAOHIRO+HEART BOMB+KRAK)は、映像を通じて更にサウンドの深み、面白みを強調していた。 だが、やはりこの日はメインフロア担当DEVICEGIRLSに軍配があがるだろう。今年もWIREのためにあつらえられた多種多彩な映像素材と、それを挿入するタイミングの絶妙さ、どれをとっても圧倒的なクオリティだ。彼らも、もはやWIREには欠かせない存在といえる。
Photo credit: Masanori Naruse
今回はトピックとなるアーティストを目当てにというよりかは、WIREそのものに魅力を感じて遊びに来る人が、ひときわ多いと感じた。昨年までサードエリアと休憩所として解放されていた、2階から上の部分を解放していないということもあったが、常にフロア外に人が溢れるほどだった。もちろんDenki GrooveやTakkyu Ishinoはテクノの枠を越え広く認知されているし、タイムテーブルも、メジャーなアーティストを早い時間に置き、終電まで遊んでいく客層にもアピールできるものとなっていた。しかし、大多数の人が、WIREで体感できる時間を楽しみ、朝を迎えることを目的にしていたと思う。これらの人々が、クラブの現場に還元できているかは疑問だが、逆に、いつもはダンスミュージックの現場に触れていない人や、クラブシーンの一線から退いた人の受け皿としてWIREが機能しているとも言える。Derrickが音を止めると、スクリーンには「See You Next Year, WIRE13」の文字が写しだされた。この映像を見た人のほとんどが、来年もWIREに足を運ぶだろう。そう思えるほどに、今年も充実した時間を過ごすことができた。
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