tobias. - Freeze

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  • Tobias Freundが手掛ける音楽は、一見とっつきやすそうに見えるのだが、その実そこには非常にクレバーなトリックが潜んでいる。彼が作るビーツは非常にベーシックなようでいて、そこには非常に濃密なディテールが封じ込められている。こうしたシンプルさと高い密度という相反する要素の両立は彼にとって昨年の『Leaning Over Backwards』以来となる新作にも確実に封じ込められており、ダンスフロアー的でありながらも同時に実に知性的なサウンドを展開している。"Freeze"は冒頭からストレートな立ち上がりを見せるが、4〜5分も聴きすすめていくとやがて性急なArpシンセの音色が絡んでくる。そのシンセ・フレーズは性急でありながらも、こぼれ落ちていくような感覚もあり、容易にはその全体像を掴ませない。その緻密に計算された中毒性は9分というトラック全体のレングスのなかで一際冴え渡っている。 Bサイドの"Perfect Sense"も同様に、冒頭から最後までヒプノティックなグルーヴが横溢している。Aサイドに比べるとその感覚はやや軽やかなもので、ふわりとしたコードがトラック自体のステディな硬質さにほどよい柔らかさを与え、一瞬鳴らされるクラシックなスネアも実に効果的に機能している。Aサイド同様、何の迷いもなく没入できるグルーヴを持ったトラックだ。