Lawrence - Etoile du Midi

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  • 昨年LawrenceがPampaのためにリリースした繊細きわまりない作品群に魅了されたリスナーにはまさに待望と言える今回のDialからの新作。タイトルトラックは身悶えするような、それでいてなだらかな起伏に富んだマイクロ・エヴォリューションのためのオマージュと言えそうだ。祝祭的なシンセが空間を切り裂くのも束の間、曲がりくねったサウンドの波に呑み込まれてアシッドが素早く絡んでくる。オフビート気味のスネアが時折上空から降り注ぎ、にわかに沼地から浮き上がるような感覚をおぼえるが、Lawrenceならではのソフトフォーカスなメロディがヴァイブを変化させ、都市的な退廃感から新世界的楽観主義に導いていく。 "Creator"はよりバウンシーな仕上がりだが、そのサウンドデザインはやはりどこか伸びやかでもある。シンセに満たされた破壊的なエモーショナルさは初期のCarl Craigを連想させ、その印象は"Final Call"での浮かぶように軽やかなトラックでより強くなる。ザラついたシェイカーが絡み、アップリフティングながらもどこか醒めたようなメロディと心の深いところを抉るような感覚がゆったりとしたビートの狭間に漂っている。分厚い雲は時折晴れ間を見せ、束の間の希望の光が差し込むかのように思わせるが、その心地よいサウンドの世界を支えているのはやはりLawrenceならではの豊かなディープハウス・グルーヴだ。