Amir Alexander - Gutter Flex

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  • もともとはシカゴのハウス・シーン出身にもかかわらず、Amir Alexanderの性急でメランコリックなシンセ・ワークはむしろデトロイトからの影響を色濃く感じさせる。"Gutter Flex"というトラックはまさにそうしたモーターシティとの繋がりを浮き彫りにしている。冒頭から力強くシャッフルされた125BPMのハウスグルーヴがうねり、シンセが滴のように垂れ下がるようなメロディを奏ではじめると、グルーヴはさらに加速していく。大胆なブギー調ベースラインも相まって、どこかAutonomic期のInstra:mental初期作品を思わせる部分もある。言い換えれば、抑制されながらも活気に満ちたグルーヴという感じか。Bサイドの"Dark Dirt"はAサイドのトラックをちょっとだけ造り替えたような印象があり、Aサイド同様のドラムパターンの手法や"the underground"と呟く無愛想なヴォイスが配されながらもシンセ・ワークはよりすっきりとしている。 ほかの2トラックで聴くことができるブロークンな質感は、AlexanderがPlan B Recordingsで展開しているサウンドと多くの共通点を窺わせる。"Black Rain"では線の細い、下降するコード進行がうねうねとしたベースラインと絡み、"Mystical Eroticism"はデトロイト・テクノをよりサイケデリックに仕立て上げたようなトラックだ。長調の緩慢なコードがつるつるとしたスネアを包み込んで高域を支配し、荒れた波の冷たさを感じさせる。このEPで展開されている、寂寥感のある美しさはとりわけ新しいものではないにせよ、すべての要素が収まるべき場所に収まって実に端正なムードを醸し出している。