Imugem Orihasam - Gleam from Distant Gate

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  • まだたった2枚だけのリリースを行っただけのレーベルの方向性をつかみ取るのは大抵の場合困難なものだが、このベルリン発のレーベルNsyde Musicに関して言えばその方向性ははっきりしている。つまり、端的に言えばゴージャスなメロディということだ(Kevin Reynoldsによる"Liaisons"も併せてチェックすればわかるはず)。3枚目となる本作は若手プロデューサーImugem Orihasamによるものだ。Discogsによれば、彼はまだトラック制作を始めてからのキャリアはまだ3年にも満たないそうだ。この日本人プロデューサーにとって本作「Gleam from Distant Gate」はその才能を示す1枚としてはこの上ない内容となっており、クリスピーかつ論理的にアレンジされたサウンドと、なによりもゴージャスなメロディが際立った輝きを放っている。 Aサイドだけをとってみても、堂々たるサウンドがコズミックな霧の合間に浮かんでいる。そこに明確なフックと呼ぶべきものは無く、ただ泡立つようなサウンドの群れが一体となって滑り落ちていくだけだ。脈打つようなパッドと波状のベースは速いスピードのシンセのスパイラルとシンバルのスプレーによって掻き回されている。全体的に、かつてのKirk Degiorgioの作風を思わせるところがある。"Misty Evening"でOrihasamは思わせぶりにペースを巻き戻し、複数のエレメントをミックスしながらそのサウンドが自由に呼吸できる空間を与えている。すべてが煙にまかれたような、おぼろげなキャラクターを持っており、ただ大きな石のようなキックだけが霧の中で確固たる存在感を主張している。その螺旋の内部では、眩いシンセがスペクトラムの彼方で流れ星のように散発的な明滅を繰り返す。アンビエント・トラックとなる"Kotoni"は純然たる美しさで迫り、手を伸ばせばはかなく消えてしまいそうでもある。タイトに爪弾かれるギターと控えめながらも突風のようなコードとの間には大きな空間が横たわり、その空間のなかでは大きなインパクトが生まれる。
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