Xosar - Ghosthaus

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  • コンピューターがエレクトロニック・ミュージックの進化/深化を可能にしたという言説 は昨今もはや聞き飽きた感すらあるが、Xosarの2作目にあたるこの「Ghosthaus」は手法・感覚の両面において見事なまでにそのトレンドに逆行してみせている。L.I.E.S.からリリースされた彼女のデビュー作「Tropical Cruize」はそのレーベルカラーさながらの濃い霧の中から出てきたようなサウンドだったが、今回Rush Hourからのリリースとなる本作では彼女の音楽性がより剥き出しになったかたちで提示されているようだ。その基礎的なアレンジや直線的なムード、 どことなく抑制されたテクスチャーなどはそのデビュー作よりもむしろ鮮烈な印象をもって迫り、そのアプローチはいたって意欲的だ。タイトル曲となる "Ghosthaus" は強固で不穏なメロディとドラマティックなシンセ・パッチに彩られ、その不気味さはDemdike Stareにも通じる部分を窺わせつつ、それは子供のころに誰もが感じたことのあるような得体の知れないものに対する恐怖を思い起こさせる。"Rainy Day Juno Jam" は明瞭さは乏しいものの、そのおぼろげなシンセが聴く者を戦慄させ、あらゆる感情を奪いさる。 昨年からXosarと頻繁にツアーを共にしているアンダーグラウンドの帝王Legoweltがオリジナルに対し複雑なレイヤーを施したリミックスを2ヴァージョン披露している。XosarとLegoweltのサウンドにおける相似性は多くのリスナーが予想するところだが、このリミックスではそれらがまさに混在している。オリジナル対しLegowelt独特の繊細なトリックを落とし込むことにより、彼は "Ghosthaus" をオリジナルのB級映画のようなムードを彼流の情感豊かで奇妙なホラー映画に作り替えているかのようだ。さらに "Rainy Day Juno Jam" のリミックスではオリジナルのムードをさらに強調しつつ、その過剰なメロドラマ性を抑えたうえでLegoweltならではの怪しげなクラブトラックに仕立て直している。