Svreca - Obscur.Final

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  • 今年で設立6年目を迎えるSvrecaのレーベル、Semanticaは単なるフロア・ユーズ以上の意味を持つテクノを押し進めている。RaimeやBlackest Ever Blackが展開している「攻撃」(そのサウンドからして「攻撃」としか言い様がない)では、テクノはあくまでもオープンなものでありつつ、そのサウンドの色彩はくすんだグレーに徹している。Semanticaもまたそうしたより広いテクノの表現領域を拡げるべく活動しているが、ここに届けられたSvrecaの最新作(同時に、コラボレーション要素の強い作品でもある)は多くのテクノファンの心をつかむであろう仕上がりとなっている。 Svrecaによるオリジナルは2010年にすでに同名のEPでリリース済みのものであり、その後Marcel Dettmann やClaro Intelectoが参加したリミックス盤もリリースされている。以前にもSemanticaに"El Mar"を提供していたSilent Servantが今回は"Obscur"のリミックスを担当しているが、彼らしさは存分に活かされているものの、オリジナルが持つ廃工場のようなムードは引き出し切れているとは言えないようだ。 Regisは"Obscur"のオリジナル・リリース時にも"Utero"にリミックスを提供しているが、今回は"Invisible"をリミックスし、ビートをすべて抜きつつもオリジナルの奇妙さはしっかり残したリミックスを披露。ベテランOrphxは"Jade"をリミックスしているが、もの凄い音圧のベースと精密に削り込まれたデジタルサウンドデザインをせめぎあわせ、Raster-Notonスタイルのビート・サイエンスをさらに進化させ今回のEP中でも屈指の仕上がりを見せている。また、Skirtもまた"Jade"を異なるアプローチで仕立て直し、彼女独特の奇妙な電子変調をうまく組み合わせている。Svrecaのオリジナルトラックも当然聴き逃せない。とりわけ"Narratif"が出色の出来だが、ポストパンク的なドラムをテクノに融合させた"Post Madrid"もポーカーフェイス的な佇まいを見せる他のトラックの中で奇妙な存在感を発揮している。