- メロディックな白昼夢
- Loke Rahbekはヨーロッパのコンテンポラリー・エレクトロニックミュージックを手当たり次第聴いてきた。10年前にコペンハーゲンでレーベル/コレクティブのPosh Isolationを設立。ノイズミュージックの領域から出現したが、今やスカンディナビア半島におけるアンビエント、エクスペリメンタル、テクノシーンの中心的存在となっている。RahbekはLust For Youthのメンバーとして感動的なポップを作ったり、Damien Dubrovnikのメンバーとしては強烈な、耳から出血しそうなノイズを制作。加えて、VargやPuce Maryともコラボレーションをしてきた。だが、Rahbekがアンビエント、ノイズ、エクスペリメンタル、スポークンワードを不気味なほど美しく不安な何かへと変え、最も没入できる音楽世界を作り上げてきたのは、Croatian Amor名義だ。そのヴィジョンは、今年初めに発表されたLP『Isa』へとまとめ上げられた。RAのレビューでは同作について、「本当に美しく悪夢のようなヴィジョンが絶えず伴う」と説明している。
「Croatian Amorが一人の人間であってほしいと思ったことはこれまで一度もなかったし、今でも思っていない」と、Rahbekは2018年のインタビューで語った。「もし人間だとしたら、何人かの違う人間だと思う。それもおそらく同時多発的に。」パリで今週開催となるRAのショウケースCommunity Connectionsでのライブパフォーマンスに先駆け、Rahbekは広範に及ぶコラージュスタイルのセットで、Croatian Amorが持つ様々な面を見せてくれた。4つ打ちとトラップのリズムが現れ、そして消えていく中、囁くような歌と色の爆発の間で、静寂と空間が全てを飲み込む。
FenneszやCoil、Simon Fischer Turnerらによるアブストラクトやアンビエントのトラックが、VargやSmerzによる、泡立つ、澄んだポップと衝突する。Posh Isolationのファンではないという人にも、KYOによる気味の悪い無表情なラップや、Jeuruの未発表曲、あるいはMini EscoのBurialっぽい浮遊感などのうれしいサプライズがあるはずだ。Posh Isolationがノイズのコレクティブだと思っている人にとっては、このミックスがその考えを吹き飛ばすものとなるだろう。耳を澄ませば、コペンハーゲンのアンビエント、ヒップホップ、ポップの未来を、全てここで聴くことができる。
TracklistCroatian Amor - Towards Isa
Mini Esco - Wonderboy
Flower Salesman In Athens
Kamil Dossar - unreleased
Fennesz - Liminal
Pelle Gudmundsen Holmgren - Song
Wallmö - Unreleased
KYO & Jeuru - Unreleased
Raime - See Through Me I Dare You
Smerz - Sure
Horn Rehearsal In Malaga
Christoph De Babalon - Luxury of Sadness
Coil - Babylero
Susumu Hirasawa - Berserk OST
Simon Fischer Turner - Into Bush
Edward Artemyev & Vyacheslav Ovchinnikov - Part XII. Bach (Rem. 2)
Varg & Coucou Chloe - I Get Lit
Unreleased
Astrid Sonne - Unreleased
Loke Rahbek - A Word A Day
KhalilH2OP - Unreleased
Croatian Amor - Like Man
oqbqbo - All This Waiting
Olymphia - No Fear
CTM & Little Artist - Poser