RA.534 Mix Mup

  • Published
    22 Aug 2016
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    134 MB
  • Length
    00:58:28
  • 隠れ人気アーティストによるマシンファンク
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  • Lorenz Lindnerは型破りなクラブトラックによって小規模ながらも熱心なファンを獲得しているドイツ人アーティストだ。彼の音楽は、”好きもの”が集うアンダーグラウンドな場所に向けられたものだ。彼のサウンドは掴みどころがなく、定義するのが難しいが、ハウスやテクノの辺境に潜むものだ。近年、独特な才能で徐々に注目を集めるLindnerだが、彼がレコードをリリースし始めたのは2000年代前半のこと。2003年の「DJ Of Higher Quality」と2015年の「Skip Intro」を比べるとスタイル的に重なっている部分はそれほどないが、初期作品でも、後の作品を特徴づけることになるマシンファンクの要素をうかがうことができる。この言葉は、Lindnerと頻繁にコラボレーションを行っているKassem Mosseにも共通する音楽性だ。ふたりは即興ライブを行ったり、The Trilogy Tapesから傑作「MM/KM」と「Have You Seen Them」をリリースしたりするなど、侮れないプロジェクトを展開するようになっている。今年の前半、「僕にとって"MM KM End To Funk"はここ数年間で特に独特なエレクトロニックミュージックだ」とDiscogsにコメントが寄せられている(英語サイト)。確かに同トラックはMM/KMの音楽性を見事に体現している。乱雑なDJミックスのようにリズムが組まれているセクションがあるが、それにもかかわらずその処理は不思議な魅力を放っており、いびつなループが澱む中、キケンな低音によって秩序のようなものが保たれ、そこから生まれる重々しいグルーヴ上ではUnderground Resistanceのレコードから取ってきたようなシンセ・ストリングスが鳴り響いている。こうしたパーツが組み合わされることで、深く奇怪で、深く独特な作品へと変化しているのだ。Lindnerはソロ作品においても等しく意欲的で、Hinge Finger、The Trilogy Tapes、Mikrodisko、Meakusmaといった高い評価を集めるレーベルから12インチの数々を発表しているが、そうした作品を好むのは極少数で、大抵の人たちには見過ごされている。 RA.534で示されているように、Lindnerは熟練のDJでもある。このミックスでの彼は自身の楽曲が持つ謎めいた一面を和らげ、59分に渡って包み込まれる不可思議なクラブミュージックへとリスナーを導いている。 近況報告をお願いします このミックスの録音、スイミング、新作EPの制作、友達とディナー、彫刻制作、車でテープのリスニング、ギグ、読書。あとは、昨年、事故に遭って手術を受けた。治るまでに時間がかかったのが残念だった。 今回の制作環境を教えて下さい 自分が持っている新旧のレコードを使った。コンピュータを使って自分のスタジオでミックスを録音した後に編集した。 ミックスのコンセプトについて教えて下さい 数曲を組み合わせて、僕がどんなクラブミュージックに興味を持っているのかを伝えることと、特に気に入っているダンスミュージックを使って自分が思っていることを提示したかった。ファンキーなものや、夢中に身体を動かしたくなると同時にミニマルなものが好きなんだ。選曲には結構時間がかかった。僕にとってはクラブでみんなを踊らせたり、会場の雰囲気を作っていったりっていう本来の目的でこの手の音楽をプレイする方が楽なんだ。クラブでDJするときの選曲はすごく速いよ。理想は、何も考えずにDJをしている状態だね。 Berlin Community Radioで番組を持っていますよね。ラジオというフォーマットの何が個人的に好きですか? 2014年の1月から番組をやっている。クラブで一晩中プレイしたり、みんなが踊ったりしそうにない音楽を流す絶好の機会だよ。ラジオのフォーマットは気に入っている。数曲を通じてリスナーをリードしていけるから。アナウンスをしたり、トラックをかけたりして、すごく普通の番組になることもある。最初は自分の番組をアーカイブしていなかった。そうすることでラジオらしい感覚を作りたかったんだ。番組を見逃したら、もう聞けないっていうね。子供のときにお目当ての番組を聞くためにラジオをつけてテープに録音しようと頑張っていたことを今でも覚えている。でも2015年からは全部の番組をオンラインにアップしているんだ。僕のウェブサイトで番組リストをチェックできるよ。 この数年間はThe Trilogy Tapesと一緒に活動していることが多いですが、あなたがWill Bankheadと仕事をするとは驚きでした Willの感性は素晴らしいし、彼自身が素晴らしい人だ。音楽のアプローチが一致しているのはもちろんだし、どんなプロジェクトでも温かく献身的に取り組む姿勢がある。僕と彼が一緒に仕事をする理由がよく分からなければ、彼のウェブサイトとかブログとかを見ればすぐに分かるよ。でも、Mikrodisko、Ominira、Meakusmaとか、幸いすごく上手くやっていけているレーベルは他にもあって、そこにも同じことが言える。どのコラボレーションも個人的にいい関係を築いていたところから生まれていて、そういう場合はレコードをリリースするだけじゃなく、もっと深い関係に発展していくことが多い。 今後の予定は? 実は昨年の事故からは色々とすごくゆっくりとしていて、以前と全く同じようには活動できなくなっていたんだ。でもベルリンのAtonalでKassem MosseとMM/KMとして出演する予定だ。その後、Kassemとやっている別プロジェクトChilling The DoでMeakusmaのフェスティバルに出演する。今年中にMikrodiskoから新作EPが出る予定で、The Trilogy TapesとOminiraからもさらにリリースがあるよ。Moltoのニューアルバム制作とスペシャルライブセットの準備も進めている。Moltoは即興エレクトロニックミュージックやアナログのアンビエント/フリージャズ/ライブラリーミュージックを制作するときの名義だ。あともちろん、ライブセットとDJのギグも楽しみだ。ラジオ番組や彫刻もあるし、次の数か月は退屈することなんてないと思う。でもどれも時間がかかると思う。急いで物事を進めるのは好きじゃないからね。