RA.520 Sonja Moonear

  • Published
    16 May 2016
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    121 MB
  • Length
    00:52:42
  • 業界きってのDJが届ける、引き締まったハウスやテクノ
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  • Sonja Moonearはいわゆるミニマル・シーンのトップDJたちの典型例のようなDJだ。広報活動には積極的ではなく、タンテを前にすれば本領を発揮し、ダンスフロアを鋭く読むセンスを持ち合わせている。そしてそういったDJの多くと同じく、あまり作品をリリースしない。つまり、Moonearは単純に素晴らしいDJセットをプレイすることでトップの座を手にしているのだ。もともと彼女は、2000年代初頭、スイスはジュネーヴの重要クラブであるWeetamixのレジデントとして名を馳せた。Perlon主宰のZipは常連客であり、2013年のfabricのサイトでのMoonearのインタビューによると、彼女は数回彼の前座を勤めたあと、彼にベルリンでプレイしないかと誘われたのだという。「あのときは一生忘れないと思う」と、彼女は言った。今では、Moonearはダンス・ミュージック界のトップDJのひとりとして引っ張りだこであり、ハウス、テクノ、ミニマルを横断する柔軟でリズミカルなスタイルが高く評価されている。 今週のRAポッドキャストは、Moonearの音楽性を色彩豊かに切り取ったスナップ写真である。リズム重視であり素敵な奇妙さもある、躍進的なミニマルと鮮やかなハウスが合わさったこのミックスで、彼女は達人の手腕を披露している。 近況報告をお願いします 今年の1月から1年間休暇をとっているから、ようやく家族と時間を過ごしたり、スタジオに篭ったり、旅行ができているわ。日本、オーストラリア、インドネシアや、まだ行ったことがない国も行けた。2月の大半は娘と南アフリカにいたわ。仕事は大好きだけど、これまでほぼ休みなしで働いてきた。来年はこれまでよりしっかりと管理をして仕事を再開するわ。全てを同時進行しようとすると上手くいかないから。 ミックスの制作環境を教えてください カルージュにある私のちっちゃなスタジオで、すごくベーシックな機材で録音したの。SL1210が2つ、古いOutline Pro 405と、デジタル曲3曲をかけるために使ったPioneer CDJ 2000が1つ。Genelecの1032というニアフィールド・モニターを使ってるわ。シンプルでストレートでリアルなものにしたかったから一発録りだわ。だからちょっとしたミスも入ってる。 これを作った時は新しいスタジオに引っ越したばかりだったから、部屋の音響を確認するのに丁度良い機会だった。モニターは制作機材のことを考えて配置しているから、ターンテーブルに最適な置き方をしていなくて、意外な発見もあったわ。このスタジオの建設に数ヶ月かかったの。天井や壁とか、配電工事に時間がかかって。ようやく好きなだけ音が出せる小さな楽園を手に入れて、とてもハッピーだわ。 ミックスのコンセプトについて教えてください 私の国では深刻なまでにレコード店が少ない。うちから一番近いお店も、トリノまで行かないとない。Discogsは値段設定がアホらしいからほぼ使わないわ。だからしっかり買いたいときは朝、ベルリンのSpacehallまで飛行機で行って、その夜袋一杯の幸せを持って帰ってくるの。 コンセプトとしては、その日レコードを丁度買ってきていたから、しっくりくる順番にレコードをかけていきたかった。ミックスを聞き終わるころにはクラブに行きたい気分になっているようにしたかったわ。聞き返してみたら、曲の数だけ様々な種類の曲が入ってるって思ったけど、それは私が普段クラブでやっているセットの凝縮版のような気がして、そのままにしたわ。 もうすぐフェス・シーズンです。フェスではクラブとは違ったアプローチをすることが多いですか? 私は全てのギグを毎回違ったアプローチで挑んでるわ。ずっとそうやるつもり。毎週末、何時間もかけてレコードバッグを準備するし、いつも多めに持っていく。あと可能な限り情報を事前にチェックする。サウンド・システム、会場の規模、客層の音楽知識、出番の時間、そして一番重要なのがその日/夜にプレイする他のDJ。個人のプレイそのものよりも、イベントトータルでの体験が何よりも大事だと思うわ。もちろん、DJとしては自分のカラーというものを持っていないとだけど、私達は色々な色を持っているし、DJはライブ・パフォーマーと比較しても様々なカラーを出しやすいからね。 今後の予定は? これから、Zipと一緒に2週間半のUSツアーを開始するんだけど、とても楽しみだわ。今年の頭にビザをなくして、新しいのを取得するのが間に合わなそうだったからあぶなかった。あと今はCocoonのサマーコンピを制作していて、楽曲の使用ライセンスを申請している段階。いくつか製作途中のリミックスもあるんだけど、早く自分用の制作に移りたいわ。 あとひとつ言いたいことがあるわ。ちょっとナイーブかもしれないし、ヒッピーっぽいかもしれないけど、誰かに読んでもらえるかもしれないから言いたい。世の中はとてもケチで、他人と競ったり、比較したがる人ばかりだわ。職場、街、スーパーの中、そしてときには家の中でも同じ。イベントに遊びに行ったり、プレイしに行っても、間違ったことが語られてることをよく耳にするし、間違ったことを見てきた。クラブはそういった場所ではないわ。クリエイティビティーやシナジーを殺してしまう。クラブはそういった態度を持ち込まない場所にしましょう。