RA.389 L.B. Dub Corp vs P.A.S.

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    11 Nov 2013
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    00:59:30
  • Luke Slaterの別人格の衝突
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  • Luke Slaterは昔から様々な名義を使い分けるのを好む男だ。1989年から1992年にかけて、彼はAlan Sageと共に立ち上げたJelly Jam Recordsから、6つの名義で8つの作品をリリースした。そしてその後、90年代を通して更にKrispy Krouton、Deputy Dawg、Clementineといった別名義を世に発表した。最近は、Planetary Assault SystemsとL.B. Dub Corpという2つの名義を主に使っている。前者は彼の最も古く、最も有名な名義だ。P.A.S.という名義の元、20年前からSlaterはピュアなテクノを探究し続けており、5枚のアルバム、そして数えきれないほどの12インチをリリースしてきた。2006年にハウス志向の作品を展開するためにスタートしたL.B. Dub Corpは、彼の比較的新しい名義だ。どちらの名義の作品にとってもOstgut Tonがホームであり、Slater自身が主宰するMote-Evolverからリリースしたもの以外で、P.A.S.名義のアルバムをOstgut Tonから2枚出した。更に今日、 L.B. Dub Corpとしてのファーストアルバム、『Unknown Origin』も同レーベルからリリースされた。無駄な要素を省いた、鋭く焦点の絞られたハウストラックが10曲収められたアルバムになっている。 今回のRAポッドキャストをお願いするにあたって、彼にはL.B. Dub CorpとPlanetary Assault Systemsの両名義のスピリットを内包したものを求めていると伝えた。そんな彼が提出してくれたミックスは、繊細にふつふつと湧くハウスから、最終的にがっつりなテクノへと徐々に展開するものであり、Slaterの独特なサウンドデザインのセンスが光る内容になっていた。 まずは近況報告をお願いします。 曲を作ったり、プレイしたり、リリースしたり、聴いたり。あちこち旅をしたり、世の中の秘密を祝福したり、人生のランダムさを楽しんだり。ちょっとスピリチュアリストなんだ。 ミックスの制作環境は? 深夜にMote-Evolverの事務所にて作ったよ。 今回のミックスのコンセプトについて教えてください。 L.B. Dub CorpからPlanetary Assault Systemsまでへと展開するミックスだ。もっと長くしても良かったかもしれないけど、この凝縮したストーリーは多様性、調和、ダイナミックさがポイントで、纏まりのある形で、粘着的に、L.B. Dubの音楽からP.A.S.の音楽へと進んでいけるように作ったんだ。 L.B. Dub Corpのアルバムに関してあなたは、「作品に入れたくない要素を割り出すことのほうが簡単だった」と発言していますが、具体的にどういう要素を入れたく無かったのですか? 不必要なシンセのピッチ上げ、ドラムロール、ドライ・コンプレッション、正確すぎる打ち込み。なんとなく入れるスタブ。別にこういったことは悪いことじゃないし、大きく捉えた時、効果的に成りうる場合もあると思うが、俺は長年音楽をやっていて、つい近道をしてしまって結果的に自己嫌悪に陥るようなことを避けることはできるようになった。音楽を作ることは本を執筆するのに似ていると思うんだ。始める前に準備期間が必要だし、たくさんのアイディアを検討して、ボツは削除して、絞って、これだって思うものを突き詰める。 このアルバムで俺は L.B. Dub Corpのサウンドを提示したかった。そうするためには、どういうものが L.B.という存在を確固たるものにしているのか見極める必要があったんだ。トラックのストーリー、フィーリングに集中したかった。L.B. Dub CorpはP.A.S.ではないから、その音楽的なストーリーをはっきりとさせたかったんだ。それができなかったら、アルバムは作っていなかったと思う。仕上がりには満足しているよ。 あなたはポエトリーへの関心が年々強くなっていることも発言していました。今後もっとポエトリーに力を注ぐ予定はありますか? ポエトリーはもしかしたら年をとるにつれて良さが解るものなのかもしれない。個人的には、読むより聴くほうが好きなんだが、最近は昔よりも色々な人々に楽しまれてるようになってきたと思うんだ。昔からCooper Clarkeが好きだったし、ストリートレベルの現代的なポエムでいうとBenjamin Zephaniahなんかが良い。去年、実はアルバムの全ての曲にポエトリー・リーディングを取り入れるつもりで制作を始めたんだが、結局音楽に合うものがあまり見つからなかったんだ。だから、相性が良いと思った部分にしかポエトリーはフィーチャーしていない。 Benjamin Zephaniahの素晴らしいポエトリー・リーディングをアルバムに収録することができて光栄だ。あのポエムに共感できる部分は多いし、ユーモアもあってとてもリアルだと思う。もし上手くいけば、ポエトリーを基にした曲をもっと作るかもしれない。しかしたいした要点を含まない独り言みたいなポエトリーが世の中に氾濫していて、良いものに巡り会えるのは大変だったりするんだ。 今後の予定は? 今年のADEでのL.B. Dub Corpのライブは成功で、今後もライブの予定があるんだ。P.A.S.のライブもまだ行っていて、大規模なイベントに相応しいものになっていると思うね。あと、Mote-Evolverから来年リリース予定の作品が中々面白いことになっている。長年音楽をやっている俺だが、相変わらず常にツアーをしていて、まるで母国なんて無いようだ。そういう運命なのだと思う。