10.

Festival Novas Frequências

Oi Futuro Ipanema、リオデジャネイロ、ブラジル
12月3日 - 12月9日

リオデジャネイロでは夏真っ盛りのこの時期、Festival Novas Frequênciasでは、太陽の似合う街の雰囲気と良い意味で釣り合わない音が鳴る。2011年以来、この根性のある若いクルーは大きなゴールを掲げ、それまでにリオでプレイしたことのないアクトだけで組んだ大胆なラインナップを打ち出した。収容人数100人の劇場Oi Futuro Ipanemaや、街の中心部にある野外公共広場Leão Etíope do Méierなどを含む計5つの会場では、多種多様な体験をすることができる。2016年、同フェスティバルには新たな会場が追加された。隣接した2棟の3階建てビルからなるGalpão Gamboaでは、A/Vパフォーマンス、コンサート、そしてクラブパーティーなどが、16時間に及び繰り広げられる。ラインナップは現時点で一部しか発表されていないが、出演が決定しているMr. Mitch、J. G. Biberkopf、Xiu Xiu、Rabih Beaniといった顔触れを見ると、どんなフェスティバルになるのか想像がつくはずだ。

RA Pick: Vincent Moon、Priscilla Telmon、そしてMorphosisことRabih BeainiによるコラボレーションパフォーマンスCosmogoniaは必見。

09.

Polaris Festival

Le Mouton Noir、フリブール、スイス
12月9日 - 12月11日

海抜2,200メートルでのレイヴなど、そうそうあることではない。2年目を迎えるスイスのフェスティバルPolarisは、その貴重な機会を我々に与えてくれる。同イベントは、ヴェルビエよりも更に高い位置にあるアルプスのスキースポット、ル・ムートン・ノワールが会場となる。Polarisは昨年、パーティーロッキングなハウスDJたちと共に大成功を収め、今年も同じ方向性でいくようだ。2016年のラインナップは、Dixon、Moodymann、Richie Hawtin、そしてQuenumといった面々。こうしたセレクターたちを、雪に覆われた山頂を臨む素晴らしいパノラマをバックに聴けるPolarisは、かなり魅力的だ。

RA Pick: フェスティバルで“ゴッドファーザー”と称されるDJを見逃すべからず。今回の場合は、それがLucianoだ。

08.

Transient Festival

Cabaret Sauvage、パリ
11月2日 - 11月6日

エレクトロニックミュージックフェスティバルの大多数がDJブッキングに頼っているなかで、Transientはライブパフォーマンスの臨場性を信奉している。また、パリで開催されている同様のイベントと違い、Transientはフランス出身のアクトに重きを置いており、ここ数年で盛り上がりを取り戻したパリのクラブシーンの深部に対する見方を提示する。フェスティバルのプログラムの大部分は、Toulouse Lautrecの絵画に出てきそうな、ベルベットで覆われた巨大なテントの中で行われる。ここでは、
Mika Vainio & Franck Vigroux、Plaid & The Bee、Ryoichi Kurosawa & Novi_Sadといった、実験音楽の重要アーティストによるコラボレーションオーディオヴィジュアルセットの数々が繰り広げられる。また、M.E.S.H.とSamuel KerridgeもAVライブを披露するが、同フェスティバルはライブパフォーマンスが全てというわけではなく、Luke SlaterやXhinなど素晴らしいテクノDJたちも出演する。

RA Pick: Containerのライブセットの強烈さに匹敵するエレクトロニックアーティストはそうそういない。

07.

Le Guess Who?

TivoliVredenburg、ユトレヒト、オランダ
11月10日 - 11月13日

ユトレヒト発のフェスティバル、Le Guess Who?の第1回目は、Tivoli Oudegrachtというヴェニュー1ヶ所のみで、11組のカナダ人アクトのみをフィーチャーし開催された。初年度の2007年からは随分と色んなことが変わった。計13会場を使用しての大規模な開催となる今年のラインナップは、世界のどんなフェスにも劣らないほどインターナショナルだが、音のスペクトルの中でもレフトフィールドなアクトに専念したイベントであることは、今も変わらない。10年目の今年は、Wilco、Julia Holter、Savages、そしてSuunsがキュレーターとして参加するほか、JlinやDJ Nigga Fox、Laurel Haloから、Laaraji、Tim Hecker、そしてRaster-NotonのKyokaまでがラインナップされている。更に同時期ユトレヒトの街では、世界最大規模のヴァイナル集会と謳われるMega Record Fairが開催される。

RA Pick: Jessy Lanzaの洗練されたR&Bは要チェック。

06.

Mira

Fabra i Coats、バルセロナ、スペイン
11月10日 - 11月12日

2016年現在、フェスティバルが自らを実験エレクトロニックミュージックとデジタルメディアの間に位置づけることは珍しくなくなった。しかし、参加者自身が360°のライティングインスタレーション作成を体験可能なツールが用意された巨大なドームでのワークショップなどの、本当にスペシャルな企画に参加できるイベントは数少ない。バルセロナのMira Festivaが他と一線を画しているのは、そういった理由があるのだ。好適に、この非営利的なイベントは、オーディオヴィジュアルパフォーマンスとコラボレーションに重点を置いている。有名ライティングデザイナーMFOは、Roly PorterとTim Heckerのステージを含む計3回登場するほか、A/VテクノのエキスパートLakkerは、前述のドームで360°のパフォーマンスを披露する。Lee GambleとDave GaskarthはFoldings名義で出演。Gambleの崩れたサウンドスケープと、欧州宇宙機関による衛星画像のコラージュが融合する。また、こうした様々なハイブリットプロジェクトの中でも、ダンスミュージックにおいて最も不可解な存在、Gesloten CirkelとZombyの2組にも注目したい。

RA Pick: Jlinの伸張性の高いフットワークは、エクスペリメンタルなフェスティバルで常に大成功する。

05.

Positive Education

サン＝テティエンヌ、フランス
11月9日 - 11月13日

フランスでエレクトロニックミュージックと言えば、パリとリヨンが思い浮かぶ人が多いだろう。しかしここ最近、サン＝テティエンヌの街でも、Positive Educationという若いプロモーターの功労もあり、シーンが盛り上がりを見せている。数年間パーティーを主催してきた同チームは、2015年、自分たちのフェスティバルを立ち上げることを決めた。初回は成功したようで、今年のラインナップは倍以上のボリュームとなっており、テクノ、UKベース、ジャングル、エクスペリメンタル、ニューウェーヴ、ハウスのアクトを招聘する。Cabaret Voltaire、Surgeon、Kowton、Peverelist、Alessandro Cortini、Hodge、Randomerといった国外の強力アクトも多く出演するが、真の強みは国内勢。地元フランスから、Bambounou、The Hacker、Low Jack、In Aeternam Vale、そしてAntinoteのZaltanらの出演が決定している。

RA Pick: リヨンの注目クルーBrothers From Different Mothersのメンバーである、JudaahやPilotwingsたちのプレイをキャッチする絶好の機会だ。

04.

Strawberry Fields

ヴィクトリアン・ブッシュ、オーストラリア
11月17日 - 11月20日

“ブッシュドゥーフ（僻地でのレイヴ）”は、オーストラリアのパーティーカルチャーを語る上では欠かせない要素であり、その中でもStrawberry Fieldsほど敬意と期待を集めるドゥーフは数少ない。同フェスティバルは毎年11月、ヴィクトリアとニューサウスウェールズの州境付近に広がる草原一帯に、数々のDJとライブアクトを招聘する。素晴らしい自然の中にいながらも、同イベントの大規模なアートインスタレーションとコンセプチュアルにデザインされたステージによって、非現実的な空間が生み出される。かつてはトランス中心だったプログラムは、近年ハウス、テクノ、ディスコへと変化し、今年のハイライトにはMoodymann、Bradley Zero、Move D、そしてURのDJ Assault Squadなどが上げられる。しかし、彼らのヒッピー精神は今もそのままだ。

RA Pick: Tornado Wallaceのホームグラウンドでのプレイをお見逃しなく。

03.

Magnetic Fields

アルシザー・マハール、ラージャスターン、インド
12月9日 - 12月11日

Magnetic Fieldsの参加者の多くは、海外からであろうがインド国内からであろうが、電車あるいは車でデリーを経由してフェスティバルの会場に辿り着く。ラージャスターンの砂漠を進んでいくこの旅だけでも、既にアドベンチャーだ。目的地はアルシザー・マハール。17世紀に建てられた宮殿であり、現在はホテルとして使われているこの場所が、Magnetic Fieldsの本部となる。宮殿内はしみ一つなく清潔にされており、屋上からは周辺の街と砂漠一帯の美しい景色を見ることができる（特に日の出と日没は最高だ）。フェスティバルの会場として魅力的なこの環境で、今年で3回目の開催となるMagnetic Fieldsは、国外のアクト（Floating Points、Dorian Concept、Roman Flügel、Pinch）と、OceantiedやPrateek Kuhadといったインド国内の才能をバランスよくラインナップしている。しかし、出演者による素晴らしい音楽を除けば、Magnetic Fieldsの真のスターはその豪華なセッティングだ。

RA Pick: 多くのトリックを隠し持つDJ、Call Superが、宮殿内で行われるResident Advisorによるアフターパーティーのヘッドライナーを務める。

02.

Mareh

クムルサティバビーチ、ブラジル
12月26日 - 1月3日

今年のMarehは、元々のホームであったボイペダ島から、ブラジル沿岸部の街バイーア州にある小さなビーチサイドコミュニティ、クムルサティバへと会場を移す。道路すらない島とは反対側にある本土でのフェスティバル開催は、オーガナイザー、DJ、そして参加者たちにとって、物流的に様々なことが容易になる。しかし、南国のパラダイスでディスコを聴きながら新年を迎えるという、Marehの1番の魅力は変わることはないのでご安心を。In addition to Brazilian mainstays Carrot Green、Selvagem、Gui Scottというブラジルの重要アーティストたちのほか、今年のプログラムにはHunee、Joakim、Lexxといった国外のアクトもフィーチャー。更には、ブラジルのヴォーカルグループTrio Ternuraによるトラック"A Gira"の素晴らしいエディットを手がけたアムステルダム拠点のディガー、Mr Mendelが登場する。

RA Pick: Huneeが、トロピカルなレコードをバッグたくさんに詰めてバイーアを訪れるはずだ。

01.

Club To Club

トリノ、イタリア
11月2日 - 11月6日

Club To Clubは、イタリアにおけるエレクトロニックミュージックの礎石であり、この国のフェスティバル全体の中でも最高峰と言える。毎年恒例の同フェスティバルは、アヴァンギャルド精神を全面に打ちした全5日間のイベント、Contemporary Art Weekと同時期に開催される。DJアクトやダンス向きの時間には事欠かさないが、Club To Clubはアドベンチャラスで試験的なサウンドに力を入れたイベント。ラインナップを一目見ただけでも、今年はAutechre、Arca、そして、あのSwansの出演が決定している。16回目の開催となる今年は、エレクトロニックミュージックにおける最高峰のアクトもラインナップされており、Andy Stott、Laurel Halo、Jessy Lanza、そしてアンビエントの重要アーティストTim Heckerと並び、4つ打ち勢としてMotor City Drum EnsembleやLaurent Garnierなどが登場する。音楽以外でも、Fiatの工場跡地や、17世紀に建てられたヴェナリア・レアーレ宮殿でのパフォーマンスなど、Club To Clubのはトリノのユニークな面を垣間みることができる。

RA Pick: KolèとDJ Lagが、トリノの街に南アフリカ産ハウス“ゴム”を持ち込む。

11月と12月に開催される世界各地のフェスティバルリスティングはこちらからチェック。