10. Berlin Festival
9月5日 - 9月8日
Tempelhof Airport
ベルリン、ドイツ

ベルリンの街そのもののように、Berlin Festivalはユルく、比較的物価も安く、そして個性豊かである。ラインナップはインディーとエレクトロニックミュージックの福袋状態となっており、Ellen Allien、DJ Kozeといったローカルアイコンや、Warpaint、Darksideなど世界的に高い人気を誇る幅広いキャストが集結する。会場となるテンペルホフ空港は、20世紀初頭に使用されていた国際空港であり、フェスティバル当日はその滑走路の跡地が、シンプルだが素晴らしいステージに変身する。更に今年は、プログラムの48時間中、ノンストップで音楽が鳴り続けるとのことだ。秋の肌寒さが訪れる頃に開催される同フェスティバルは、ベルリンの夏を楽しむ最後のチャンスとなる。

RA pick: Moderatが、地元のクラウドの心をガッチリとロックするだろう。

09. Bestival
9月4日 - 9月7日
Robin Hill Country Park
ワイト島、UK

ここ数年で人気急上昇中のBestivalは、今やイギリスの夏の終わりの風物詩となった。同フェスティバルには、夏に別れを告げるのに完ぺきな条件が揃っている。活気に満ちた音楽プログラムに、仮装した参加者。そして、会場に溢れる、若く、前向きなエネルギーは、他のフェスティバルの追随を許さない。過去10年間に渡りBestivalを開催してきたRob Da Bankとその仲間達は、また新たな10年間に突入する。今年は、ヒップホップの重鎮たち（Outkast、Busta Rhymes）や、インディーの人気者（Beck、Wild Beasts）、そしてレフトフィールドのニューカマー（1-800 Dinosaur）といった面々を迎える。しかし、"Desert Island Disco"というテーマを掲げた今年もまた、強力なダンスミュージック勢がラインナップされており、Sven Väth、Horse Meat Disco、Damian Lazarus、Skream、Duskyらの出演が決定している。

RA pick: オープンエアスペースで、Caribouを聴きながら踊る。夏を締めくくるのに、これほど最高な方法はあるだろうか。

08. Reworks
9月19日 - 9月21日
Block 33
テッサロニキ、ギリシャ

今だ不安定な経済状況が続くギリシャで、Reworksは地元を活気づけるようなフェスティバルにすべく尽力してきた。テッサロニキで開催される同フェスティバルは今年で10周年を迎え、過去最大規模の内容となっている。4日間に渡るプログラムのオープニングコンサートは、市街地にあるオペラハウスで開催され、Max Richterとテッサロニキ交響楽団が出演する。ダンスミュージック勢では、Ben KlockやNina Kraviz、Dennis Ferrer、Magda、Henrik Schwarzらがラインナップされている。

RA pick: Max Richterによるオープニングコンサートで、Reworksはシックなスタートを切る。

07. TodaysArt
9月25日 - 9月27日
Scheveningen Haven
デン・ハーグ、オランダ

今年で10回目の開催となるTodaysArtは、会場をデン・ハーグの街の中心地からスヘフェニンゲンの港とシーサイドへと移した。それ以外には大きな変化はないものの、ヨーロッパの冒険的なエレクトロニックミュージックシーンにおいて、同フェスティバルは重要なイベントの1つであることに変わりはない。全3日間に渡るプログラムでは、エキサイティングなインスタレーションやエキシビジョン、コンサートの数々が繰り広げられる。このフェスティバルでは、例えばCharlemagne PalestineやMika Vainio、Eric Thielemansのプレイで十分に思考を巡らせた後、Underground Resistance、The Gaslamp KillerやJames T. Cottonといったアクトでリラックスすることができる。また、昨年に続きキャンプサイトを併設しているTodaysArtは、眠りに就く前に星空の下でBen Frostを聴くことができる、世界でも稀少な場所かもしれない。

RA pick: Ben FrostによるA U R O R Aは暴力なサウンドだが、きっと皆さん大満足な内容となるはずだ。

06. New Forms Festival
9月18日 - 9月21日
Science World
バンクーバー、カナダ

New Formsは、これまでも普通とはちょっと違うスペースを会場にしてきたが、今年はそれを更に凌いでいくようだ。今年で15年目を迎える、こじんまりとした、エクスペリメンタル色の強い本イベントは、バンクーバーのフォールス川の畔に建つ巨大なジオデシック・ドーム、サイエンスワールドを舞台に開催される。この街で過去に例がなかった、サンデーアフタヌーン・アウトドアパーティーを行うほか、New Forms '14には、次世代のキャンバスを使って描くヴィジュアルアーティスト達が数多くラインナップされている。それでは、音楽はどうか？VisionistやHieroglyphic Being、Helena Hauff、Jacob Kornらが集結するNew Formsは、間違いなく過去最高の内容となるだろう。

RA pick: Arcaによる狂気的なヒップホップを聴きながらJesse KandaのヴィジュアルパフォーマンスをThe Domeで見られるなんて、何とも贅沢だ。

05. Festival No. 6
9月5日 - 9月7日
Portmeirion
グウィネズ、UK

クロアチアの島々から日本の森林地帯など、フェスティバルというものは参加者たちを様々な美しい場所へ導いてくれる。しかし、ポートメイリオンほど素晴らしい景色の中で開催されるフェスティバルは、なかなかないかもしれない。ポートメイリオンは、イタリアの港町をそのまま北ウェールズに移したような村だ。このマジカルな会場が大きなセールスポイントであることには間違いないが、ラインナップもまた素晴らしいものだーLaurent GarnierやDanny Krivit、Andrew Weatherallといったベテランから、Jon Hopkins、Julio Bashmore、Awesome Tapes From Africaら新世代の人気者まで、No. 6には幅広いアーティスト達が出演する。皆さんの中には、バンド勢はスルーしてDJ陣にのみ注目するという方もいるだろうが、ヘッドライナーのPet Shop Boysが登場する時には、どんな音楽が好きであろうと、全参加者がその場に集合するに違いない。

RA pick: ProsumerによるDJセットで、最高潮の盛り上がりを見せるだろう。

04. Unknown Festival
9月8日 - 9月13日
Resort Amarin
ロヴィニ、クロアチア

開催前にチケットが完売する音楽フェスティバルというだけでも珍しいが、開催1年目にしてそれを成し遂げてしまったフェスが存在する。しかし、このフェスティバルに限っては、あまり驚くべきことではないかもしれない。Unknownは、UKが誇る3組の強力プロモーター、The Warehouse Project、Field Day、そしてElectronic Music Group（Hideout、Wax:On、Metropolis）が手がけるフェスティバルである。2014年、再びロヴィニを舞台に、約1週間に渡って開催されるUnknownは、例えばあなたがDixonやJohn Talabot、Seth Troxlerらによる美しいハウスやテクノが好きであろうと、よりステージ向きのアクト（Moderat、Mount Kimbie、Jungle）のファンであろうと、誰もが必ず楽しめる内容となっている。よりディープな音が好きな皆さんは、Lord of The IslesやCapablanca、Huneeらで楽しむことができるだろう。クロアチアは、夏にかけてますます多くのフェスティバルが開催されている。しかし、Unknownほど幅広いジャンルをカバーしたフェスティバルは数少ない、もしくは他にはないと言っていいかもしれない。

RA pick: DJ Harveyが光り輝く太陽の中プレイするディスコやハウス、ソウルを聴き逃してはならない。

03. Outlook Festival
9月3日 - 9月7日
Fort Punta Christo
プーラ、クロアチア

Outlookは、ベースミュージックファンにとって夢のような場所であり、荒々しいベースラインと高速テンポが特徴の音楽を好きな彼らにとっては、クロアチアの中でも1年で最も重要な巡礼地である。それは、ダブステップとドラムンベースだけに限った話ではない。dBridgeやCalibre、Pinch、Youngstaらのみならず、 Floating Points、Andrew Ashong、Fatima、そしてBusta Rhymesまでもが登場するのだ。過去、現在、そして未来、全てが同等に扱われるこのフェスティバルには、Source DirectやGoldie、Doc Scottといったベテラン勢も出演する。多くの歴史を乗り越えてきたプンタクリスト城砦を舞台に開催されるOutlookに行って失敗することは、まずないだろう。

RA pick: ダブステップのパイオニアDigital Mystikzを観るのに、これ以上の時と場所はないかもしれない。

02. Decibel
9月24日 - 9月28日
Various Venues
シアトル、USA

昨年の10周年を大成功に終えたDecibelは、アメリカ最高峰のダンスミュージックフェスティバルの1つとして高い評価を得ている。2014年のフェスティバル期間中は、世界的に有名なシアトルのExperience Music Project内で大規模なカンファレンスが行われるほか、2つのナイトタイムステージが出現する。全スペースのサウンドやヴィジュアルが強化されるという今年のDecibelは、相当な期待ができそうだ。Marcel Dettmann、Pete Tong、Scuba、Steffiと、ラインナップには世界的なビッグネームが年々増えてきているが、本フェスティバルでは、US国内でも最も過小評価されている、シアトルの街における小さいが強力なダンスミュージックシーンを垣間みることができるだろう。

RA pick: Atom TMによるHD/AVセットは要チェックだ。

01. Labyrinth
9月13日 - 9月15日
苗場グリーンランド
新潟県、日本

日本のカルチャーの多くは、強く、しかも素晴らしいこだわりによって成り立っている。Labyrinthは、主催者はアメリカ人（Russ Moench）ではあるものの、そういった兆候の良い例である。LabyrinthのFunktion-Oneのサウンドシステムは、他のどこで聴くよりも最高の鳴りをする、という話は、そこかしこでされている。新潟県の、草木が生い茂る山奥にあるそのロケーションは、言わずもがな素晴らしい。そして、主役である音楽はネクストレベルだ。数は少ないが厳選されたテクノやエクスペリメンタルのアーティスト達が、最高の音の響宴を繰り広げる（出演者の中には、Labyrinthの為のセットを組むのに数ヶ月かけるというアーティストもいるほどだ）。Labyrinthほど、音楽への愛と細やかな気遣いを以てオーガナイズされるフェスティバルはそうそうないだろう。それこそが、世界最高のフェスティバルである所以なのだ。

RA pick: LabyrinthでDonato Dozzyを聴くということは、素晴らしいアーティストが最大限パワーを発揮しているのを見るということだ。

9月に開催されるフェスティバルの全リストはこちらでチェック。