10. Bónusz Electronic Music Festival
10月12日
Hungexpo Budapest
ブダペスト／ハンガリー

巨大ヴェニュー (15,000人が収容できるHungexpo Budapest)で一日だけ開催され、ハウス／テクノ界の重鎮たちが揃うという点で、Bónuszはさながらブダペスト版Time Warpだ。そしてこのシンプルながら効果的な環境はこのようなラインナップに最適だ。Carl Cox、Dubfire、Ida Engbergといった面々がここよりも自由にパフォーマンスを行うのを目の当たりにすることができる場所はあるだろうか？10月に行われる、小細工無しの、巨大レイヴの中でBónuszの右に出るイベントは無い。

RA pick: こういった巨大スペースを得意とするデトロイトテクノの産みの親、Derrick Mayは要注目。

9. VIA Festival
10月1日 - 10月3日
Various Venues
ピッツバーグ／アメリカ

2010年にスタートして以来、VIAはRA編集部の間でお気に入りのフェスの１つであり、4年目となる今年は今まで以上に期待値が上がっている。年に一度の同フェスは「音楽と“ニュー・メディア”のフェスティバル」と謳われており、ミュージシャンやDJとニュー・メディア・アーティストがペアとなり刺激的な音楽体験を提供する。6日間に渡って8つの会場にて繰り広げられるVIAで、Jimmy EdgarのうねるファンクからPharmakonの火花をちらすノイズ、物議を醸すChief Keefのラップまで幅広く味わうことができる。Pittsburgh Track Authorityといったアーティストや活性化しつつあるローカルシーンのおかげで、ピッツバーグには現在再評価の流れがきており、そんなタイミングで徐々にスケールアップしているVIAは確実に勢いをつけている。

RA pick: 水曜日のBrilloboxにて、Containerのノイジーなテクノに期待。

08. Corona Capital Festival
10月12日 - 10月13日
Curva 4 del Autódromo Hermános Rodríguez
メキシコシティ／メキシコ
Day One | Day Two

10月、メキシコシティで行われるこのイベントは様々なシーンの人々が楽しめる内容になっている。ヒップな若者にはSavages、ポップなキッズたちにはFun.、少し上の世代の人でも楽しめるBlondieやThe Breedersさえも居る。だが、レース場のCurva 4 del Autódromo Hermános Rodríguezにて開催されるCorona Capital Festivalは、踊りたい人に特にお薦めしたいイベントだ。Jamie xx、DJ Harvey、John Talabot、NguzunguzuといったDJ陣が揃っており、心置きなく踊られることが保証されている。

RA pick: Conor Oberstのファンでさえ、DJ Harveyのセクシーなビートにきっとやられてしまう事だろう。

07. Treasure Island Music Festival
10月19日
Treasure Island
サンフランシスコ／アメリカ

１つの島を丸ごと独占してしまうフェスは他にいくつあるだろうか？Treasure Islandはサンフランシスコ湾の元海軍基地の人工島を2日間占領し、尋常じゃない高さの観覧車、アートインスタレーション、パフォーマンスアート、そしてもちろん音楽で客をもてなす。今年もインディーロックとエレクトロニックミュージックのバランスがとれたラインナップが健在であり、Atoms For Peace、Disclosure、Japandroidsといったアクトが一同集結し、滑らかなハウスビーツから激しいギターサウンドまで堪能できるようになっている。

RA pick: Animal CollectiveがきっとTreasure Islandの観客を狂喜乱舞させてくれるはずだ。

06. Movement Torino
10月24日 - 10月3日
Various Venues
トリノ／イタリア

Movementと聞いたら、真っ先にデトロイトのHart Plazaを思い浮かべるかもしれない。しかし10月のMovementと言えば、アンダーグラウンド・エレクトロニック・ミュージックのキープレイヤー達をトリノに招聘し開催する、Movementの姉妹フェスのことだ。Derrick May、Seth Troxler、Magda、Omar-Sらデトロイト勢で本家をレペゼンしながらも、DVS1、Blawan、Laurent Garnier、Ben Klockなどインターナショナルな才能も揃えている。トリノ市内の複数の会場にて行われ、名前の通り動きのあるフレッシュなイベント作りを実現している。

RA pick: 独自のスタイルを貫くOmar-Sは、確実に見ておいたほうが良い。

05. Elevate Festival
10月23日 - 10月27日
Dom Im Berg
グラーツ／オーストリア

Elevateの特筆すべきポイントはまず立地だ。オーストリアの街グラーツの丘に埋め込まれるようにして建てられたDom Im Bergが開催地となる。丘の横には階段があり、ガラスのケースに入った蟻の巣に見えるこのヴェニューは人目を引く。中にいくつかの空間がくり抜かれてあり、その中でも天辺にある小さな洞窟のような空間は最も印象的だ。ここではレフトフィールドなサウンドがかかり、Peverelist、Powell、VakulaやL.I.E.S.のDelroy Edwards、XOSAR、Ron Morelliらが登場する。

RA pick: 2013年のベストテクノ作品の１つをリリースしたStellar OM Sourceが、どんなライブをオーストリアで披露するのか。

04. Robot Festival
10月2日 - 10月5日
Various Venues
ボローニャ／イタリア

ボローニャは世界最古の大学があることで有名だが、そんなうんちくで抱いてしまう先入観を覆すような楽しいことが起きている街でもある。例えばこのRobot Festival。今回で６年目に突入する同イベントは、毎年10月にこのイタリアの街に様々なハウスやテクノ、そしてエクスペリメンタルなアクトを集めており、現在公表されているラインナップにはCosmin TRG、Pantha Du Prince、Seth Troxler、Tim Hecker、Tropic Of Cancerといったアーティストが名を連ねている。4日間に渡って複数の会場にて開催されるが、内2カ所は何世紀もの歴史があるTeatro Comunaleと、Palazzo Re Enzoであり、時代を超越した空間を味わえる。

RA pick: Ben Klockはフェス級のサウンドシステムの魅力を最大限に引き出す名人だ。

03. Simple Things
10月12日
Various Venues
ブリストル／UK

ブリストルは特定のフェスティバルというよりは、ハウスやベースシーンが全体的に盛り上がっていることで知られているが、Simple Thingsはそのイメージを改めるつもりだ。3回目となる今回、10箇所のステージにて60組のアクトがパフォームし、ブリストルでは前代未聞の規模のワンデイ・イベントになる。Nicolas JaarからModerat、さらにはHyetalやOutboxxなどローカルヒーローまで揃ったラインナップで、朝の6時まで客を踊らせる。

RA pick: ブリストルでのプレイは珍しいDopplereffektのプロト・エレクトロは見逃せない。

02. Unsound
10月13日 - 10月20日
Various Venues
クラクフ／ポーランド

「The End（終わり）」というタイトルがつけられた去年のUnsoundを経て、今後は何が待っているのか？という疑問を抱いてしまったが、そこは流石Unsound。常に新しいアイディアを用意してくる。このポーランドのフェスは今年、「Interference（混信）」をテーマに掲げているが、これはこのフェスが好む汚れたローファイな実験的サウンドを表しているのだろうか。White Materialクルー、Golden PudelのレジデントHelena Hauff、そしてAnthony Naplesが登場するUnsound 2013は、新世代の若き才能の最先端を揃えているが、RegisやUnderground Resistanceといったベテラン勢もしっかりとブッキング。Demdike StareとAndy Stottがハードウェア機材のみのセットを披露してくれるとの事だ。

RA pick: Galcher Lustwerk、DJ Richard、Young MaleらWhite Material勢は2013年にブレイクスルーを果たしたアーティスト達だ。今回のレーベルショウケースは、コアなミュージックファンの心をくすぐる内容となっている。

01. Amsterdam Dance Event
10月16日 - 10月21日
Various Venues
アムステルダム／オランダ

ADEのラインナップに目を通すのは、まるで消防用のホースで水を飲もうとするような行為だ。全部で約1700組のアクトがプレイするこのフェスティバルの出演者を要約することなど不可能だ。それでもObjekt、Prosumer、Mathew Jonson、Ricardo Villalobos、I-F、Dave Clarkeなど、ハイライトを挙げようとすることはできる。だがそんなリストも結局は氷山の一角にすぎない。このAmsterdam Dance Eventは、世界屈指の規模の超巨大エレクトロニック・ミュージック・フェスティバルだ。そして素晴らしいのは、この街の特性のおかげで、この規模でありながらもフレンドリーで親しみがもてる雰囲気なのだ。運河を下り次から次へとヤバいパーティーをハシゴしていけば、なぜADEが毎年10月のフェスのナンバーワンを獲得しているのかが解るだろう。

RA pick: TrouwでのRAのサタデーナイト・バッシュはもちろん楽しみだ。我々が送るラインナップは、Peter Van Hoesen、DJ Sprinkles、Motor City Drum Ensemble、そしてMr. Tiesなど。